2013 Fiscal Year Annual Research Report
MRIの分子画像を用いた肝腫瘍に対する分子標的治療薬の早期治療効果診断
Project/Area Number |
24791328
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
西尾福 英之 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (80458041)
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Keywords | Interventional radiology |
Research Abstract |
新規抗がん剤であるナノdrug delivery system(DDS)粒子製剤の抗腫瘍効果を基礎実験レベルで明らかにし、カテーテル技術を用いて腫瘍への超選択的注入を実現するために、ラットの大腸癌肝転移モデルを作成し、血管造影技術を確立させることが不可欠である。以下にその研究結果について報告する。 検討項目:1.RCN-9大腸癌株をF344ラットの肝臓に移植し、その手技の方法と腫瘍生着率。2.肝臓内へ超選択的カテーテル挿入を行うための経皮的アプローチの方法とその手技の成功率。3.ラット肝動脈の解剖学的変異の頻度とそのパターン。結果:1.RCN-9大腸癌株を培養し1x107個を抽出する。次にF344ラットを吸入麻酔下で開腹下に肝臓へ直接注入した。その腫瘍の埋め込み成功率は90.9%(50/55)であった。2.拡大鏡下に左頸動脈を露出させ、20Gサーフローを挿入し、1.8Frマイクロカテーテルを挿入し、腹腔動脈、上腸間膜動脈の造影を実施した。この手技の成功率は100%であった。3.腹腔動脈、上腸間膜動脈造影を実施し、肝動脈の変異は10%(5/50)で認めた。またその解剖パターンは4パターンに分類された。 まとめ:RCN-9大腸癌株とF344ラットを用いた肝転移モデル作成は実験実施に有用なモデルであった。また、左頸動脈アプローチでの血管造影技術も安全に実施可能であり、今後ラット大腸癌肝転移モデルに対する新規抗がん剤(ナノDDS粒子)を用いた超選択的注入が可能となり、より臨床に近い研究が可能となった。
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