2013 Fiscal Year Research-status Report
腎毒性を軽減する安全で効果的ながん治療用ラジオアイソトープ標識ペプチドの開発
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24791329
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
大島 伸宏 北海道医療大学, 薬学部, 助教 (80508648)
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Keywords | がん / 放射性医薬品 / オクトレオチド / 負電荷導入 / 薬物動態制御 / 腎臓 / アイソトープ内用療法 / 副作用低減 |
Research Abstract |
ラジオアイソトープ (RI) で標識した抗体やペプチドを用いる「がんのアイソトープ治療」が注目され、盛んに研究が行われており、臨床応用への可能性が検討されている。しかし、RI標識ペプチドを用いるアイソトープ治療では、腎臓への非特異的な高い放射能集積を原因とする腎毒性が発症し、このことが臨床応用への大きな障害となっている。 申請者らは、RI標識オクトレオチドへ酸性アミノ酸を用いて負電荷を導入し、この非特異的な腎集積を低減できる可能性を示してきた。本研究では、がん組織への集積性を維持し、腎集積を低減する安全で効果的なRI標識オクトレオチドの開発を目指す。 平成24年度に実施した in vitro でのがん細胞への取込み実験より見出した「がん細胞への集積性を損なわず、負電荷が導入された 111In-DTPA-オクトレオチド誘導体」について、放射能の腎集積性を評価するために、正常マウスを用いて体内分布実験を実施した。その結果、酸性アミノ酸を用いた負電荷導入により、期待通りに腎集積は低下した。次に in vivo でのがん組織集積性を評価するために、担がんマウスを用いて体内分布実験を実施した。その結果、in vitro と同様に in vivo でもがん組織への放射能の取込みが認められ、「がん組織への集積性を維持し、腎集積を低減する 111In-DTPA-オクトレオチド誘導体」の開発に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請内容どおり確実に実験が実施・進行しており、期待したデータが得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24、25年度の結果に基づき、イットリウム-90 と安定な錯体を形成するキレーターを有するオクトレオチド誘導体を合成し、評価する。
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