2012 Fiscal Year Research-status Report
インドメタシンをリード化合物としたCOX-2イメージング剤の開発
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24791331
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
山本 由美 東北薬科大学, 薬学部, 助手 (70613446)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | COX-2 / イメージング / インドメタシン / 脳 / 脂溶性 |
Research Abstract |
本研究は、脳への集積が向上する可能性の高いインドメタシン誘導体に着目し、脳COX-2イメージング剤の開発を行うことを目的としている。 導入する側鎖を変化させた11C標識インドメタシン誘導体を合成・評価することによって、COX-2イメージング剤としての挙動を比較する。また、物理化学的性質、in vitro評価、in vivo評価と、様々な角度から評価を行い、COX-2イメージング剤の開発へと発展させていく。 当該年度において、インドメタシン誘導体の効率的な合成法の確立を行い、総収率最大70.6%にて6種のインドメタシン誘導体の合成に成功した。その後、合成した6種のインドメタシン誘導体のCOX-2に対する阻害活性評価を行ったところ、6種のうち5種のインドメタシン誘導体においてCOX-2に対する選択性・親和性が認められた。これら5種の化合物に対し、11Cによるインドメタシン誘導体の標識化を検討し、インドメタシン誘導体の11C標識合成法を確立することに成功した。 得られた11C標識体の脂溶性を求めるとともに、正常マウスを用いた生体内分布評価を行ったところ、正常マウスへの投与後1分の11C標識インドメタシン誘導体の脳取り込み量は、化合物の脂溶性の指標であるlogP7.4値と負の相関があることが明らかとなった。この脳取り込みは保持されず、11C標識インドメタシン誘導体の脳クリアランスが高い傾向にあることが認められたが、この高い脳クリアランスの原因の一つとして、BBB上に存在するP糖タンパク質等の膜排出タンパク質の関与を示唆する結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度では1) 化合物の合成及び阻害活性の評価として、数種類のインドメタシン誘導体を合成し、そのCOX-2阻害活性を評価する。そしてCOX-2阻害活性の高い化合物を選出し、2)11C標識及びin vivo評価として、11C標識及び正常マウスを用いてin vivoにおけるCOX-2イメージング剤としての有用性を評価する、という計画であった。 平成24年度の研究実施状況において、これら研究計画に含まれる実験をすべて行うことができ、平成25年度の研究計画への移行を始めていることから、② おおむね順調に進展している と判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度において、当初の研究計画に従いおおむね順調に進展したことから、平成25年度においても当初の研究計画に基づき推進していく予定である。 具体的には、in vitro評価として、蛋白結合率・膜透過性試験、monolayer efflux assayにより、合成したインドメタシン誘導体の薬物動態に関する評価を行っていく。 Monolayer efflux assayは、monolayerを形成し、各種transporterを発現するとされるCaco-2細胞を用いてBBB modelを作製することで評価を行う予定である。monolayer形成の確認のために、TEER(経上皮電気抵抗値)を継時的に測定していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が生じた状況として、RIを使った実験が増え、物品経費が高くなったことが挙げられる。物品費が高くなった分、旅費、人件費・謝金、その他の経費を減らしたため、合計して次年度使用額が生じた。 翌年度以降に請求する研究費と合わせ、当初の計画通り、細胞や評価用試薬など物品費を中心として使用していく予定である。
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Research Products
(10 results)