2012 Fiscal Year Research-status Report
確率論的アプローチによる前立腺癌の腫瘍制御確率モデルの開発
Project/Area Number |
24791334
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
石山 博條 北里大学, 医学部, 講師 (60343076)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 多国籍 |
Research Abstract |
前立腺癌に対し低線量率組織内照射を行った300例と、高線量率組織内照射を行った200例の臨床データを解析し、論文作成中である。このように異なった線量率の放射線治療によって治療された前立腺癌の治療結果を解析することで前立腺癌の生物学的な特性を解析し、さらにPSAやグリソンスコアといった個々の患者に固有な因子を合わせて解析することでテーラーメイドな放射線治療の開発の基礎的なデータとする。ただし経過観察期間がまだ短いため再発例が少なく、統計学的に強い相関を示す因子はみつかっていない。また、内分泌療法を併用している症例が多いため、純粋に放射線の効果だけと抽出するためには、すくなくとも放射線治療後は内分泌療法を行っていない症例を選択して解析する必要があり、これは今年度、来年度に検討する予定である。通常分割外外照射で治療した患者のデータも集積がほぼ完了し、データの解析を準備している。これと組織内照射の治療成績を比較するとこで線量率の違いによる反応の違いをより詳しく解析できる。 また高線量率組織内照射を施行する際の精度管理に関する研究も行い、これも論文作成中である。放射線の効果を解析するには放射線治療が高い精度で実施されている必要があり、そのための研究として異議が大きい。 上記、臨床的なアプローチにくわえて分子生物学的なアプローチをする予定であり、癌細胞内のDNAに対する放射線の影響やDNA修復タンパクの影響などを調査するための基礎実験のための物品を購入し、準備を進めている途中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床的なデータの集積および解析に関しては順調にすすんでいる。これは研究者の所属する施設で過去に治療された症例数が十分に多かったため、遡及的にデータを集積することで必要な量のデータを容易に確保することができたためである。 基礎実験に関しては、施設内の共同施設の利用や他の研究者のアドバイスを受けながら進めているものの、必要な設備を整えるのに時間がかかっており実際の成果を得るまでには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床的なデータ解析に関しては、今後もデータ集積および解析を続けていく予定である。一部のデータは論文もほぼ完成しており、次年度には投稿する予定である。 基礎的な実験に関しては、本年度に引き続き準備を進めていく。同時に他の研究者とのディスカッションや新たに報告された論文等を吟味しつつ、必要があれば実験計画の変更を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
基礎実験に必要な物品をさらに購入する予定である。
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