2012 Fiscal Year Research-status Report
有機蛍光体を用いたIMRT品質保証・管理の精度評価法の確立
Project/Area Number |
24791336
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
花田 剛士 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (30571054)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 強度変調放射線治療 / 品質保証・管理 / 有機蛍光体 |
Research Abstract |
本研究では、電荷結合素子カメラ‐有機蛍光体システムによる面積型検出器を用いた強度変調放射線治療の照射野内の線量精度評価および機器精度評価を行い、強度変調放射線治療照射技術の品質保証・管理を行う。総合的な研究として、面積型検出器の製作、電荷結合素子カメラ‐有機蛍光体システムを用いた品質保証・管理の評価法の開発を行い、シミュレーション手法を用いた解析を合わせて行うことで、強度変調放射線治療を含めた高精度放射線治療の線量精度評価や機器精度評価の品質保証・管理の高精度な測定法を確立することを目的としている。 有機蛍光体の材質には、線量率と発光量の直線性が良好である水等価物質のプラスチックシンチレータに注目した。 放射線治療で使用されているエネルギー領域に対して、プラスチックシンチレータ (BC-400) の諸特性を検討する基礎実験を行った。具体的には、150 mm×150 mm、厚さ3 mmのプラスチックシンチレータを水ファントムに挿入し、相補型金属酸化膜半導体センサーを有するカメラにより、水中で発光される蛍光画像を取得し、定量的に解析を行った。 相補型金属酸化膜半導体センサーを有するカメラにより取得した発光分布と放射線治療計画装置で計算された線量分布を比較するために、ガンマ解析を行った結果、強度変調を施した照射条件に対して、カメラにより取得した発光分布と放射線治療計画装置で計算された線量分布は、臨床上許容可能な範囲で一致し、プラスチックシンチレータは線量精度評価と機器精度評価に適した発光特性を有していることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有機蛍光体の種類をプラスチックシンチレータに絞り、臨床適応を想定するため、材質を水等価物質に限定することができた。加えて、画像を取得するための適切な撮像条件など、基礎条件や諸特性を把握することができ、プラスチックシンチレータが線量精度評価と機器精度評価に適した発光特性を有していることが確認できた。 面積型検出器による線量精度評価および機器精度評価の信頼性向上と臨床応用を目指すために、モンテカルロシミュレーションなどの理論計算ツールや他のモダリティによる比較検証を行い、電荷結合素子カメラ‐有機蛍光体システムによる測定結果の妥当性を評価、解析方法の再検討を行う必要性があるなど、今後の方向性が決まった。
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Strategy for Future Research Activity |
強度変調放射線治療の照射技術をによる吸収線量精度評価とMLCの機器精度評価を行い、小容積電離箱線量計、フィルム、EPIDによる測定との比較し検証を行う。最終的に本研究で提案する方法による線量精度評価および機器精度評価方法を確立し、常時設置型面積型検出器への応用を視野に入れ、強度変調放射線治療を含めた高精度放射線治療の線量精度評価や機器精度評価の品質保証・管理の高精度な測定法を確立する。 患者への高品質な治療提供を目指すことで社会・国民へ貢献していくために、本研究の成果ついて得られた結果を取りまとめ、国内・海外の学会で結果報告を行い、一般向けの講演会等にて積極的に発表することで広く社会に発信していき、原著論文として投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験、測定結果より、面型検出器の形状を決定し、製作に当たってプラスチックシンチレータの加工を業者に発注したが、納品までに時間が有してしまい、年度を跨ぐ結果となってしまった。そのため、面型検出器のプラスチックシンチレータの製作、加工費に使用する。
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Research Products
(15 results)