2013 Fiscal Year Annual Research Report
MRIの新たな拡散解析法QSI/DKIを用いた初期脳梗塞の経時的変化の解析
Project/Area Number |
24791339
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
田中 史根 順天堂大学, 医学部, 助手 (70621738)
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Keywords | 脳梗塞拡散画像 |
Research Abstract |
症例収集は順天堂医院では難しかったため、順天堂大学医学部附属浦安病院で行った。発症後3時間から29日の脳梗塞患者27症例を収集できた。一症例でも複数回撮像できたものもあり、MRIの総撮影件数は37件となった。梗塞部位は、両側大脳白質や脳皮質、小脳、脳幹、基底核と多様であった。MR装置は東芝社製1.5T MRIを用い、DKIを含む拡散画像のセットを撮像した。解析法については主に福永一星氏からの指導を受けて行った。具体的な解析については、梗塞巣と見なされる部位に関心領域を置き以下に挙げるパラメータを計算した。なお、梗塞巣と反対側の正常な脳実質にも関心領域を置き、比較対照とした。Diffusional kurtosis imaging(DKI)のパラメータである、mean diffusional kurtosis(MDK)の他、従来の拡散強調画像であるdiffusion tensor imaging(DTI)の各パラメータを算出し、脳梗塞発症後の時間経過でどのように各値が推移していくかを調べた。画像の撮像・解析や結果の解釈については主に青木茂樹教授、堀正明准教授から意見を頂いた。 先行研究では右前頭葉深部白質の梗塞巣のみの検討であったが、本研究ではそれ以外の部位の梗塞巣においても検討できた。本研究から、MDKはDTIのパラメータとは異なる病理学的情報を付与している可能性があることが分かった。具体的にはMDKの値は組織構造の複雑さを示していると思われる。このことから、脳梗塞の病理学的変化をより深く理解するのに役立った。また、MDKの画像(MDK map)は従来の拡散強調像よりも早期に1ヶ月後の梗塞巣を予測できる可能性があることが分かり、臨床現場でのDKIの有用性を示すには今後さらに研究を続けることが必要と考えられた。
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Research Products
(1 results)