2012 Fiscal Year Research-status Report
電子飛跡検出型コンプトンカメラによる次世代ガンマ線カメラの開発
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24791340
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
株木 重人 東海大学, 医学部, 講師 (00402777)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | コンプトンカメラ / ガンマ線カメラ / 核医学 / PET / SPECT / モンテカルロシミュレーション |
Research Abstract |
本年度は核医学用ガンマ線カメラである電子飛跡検出型コンプトンカメラの性能評価を目標に開発をすすめ、シミュレーションと解析手法の改善を行った。加えて京都大学で進めている新しい技術の導入も図った。また京都大学薬学部との新しい放射性核種の検討においては、原子力研究機構で作成している核種を候補に挙げ、大きく進展した。 まず、電子飛跡検出型コンプトンカメラのハードウェア開発を行った。開発先行している京大から開発機を借り本学専用のカメラとして構築した。このカメラは来年度以降の技術的な改良を念頭に入れた仕様とし、以下の3点のメリットを持つ。1、現時点での性能評価、2、モンテカルロシミュレーションの構築用データ取得、3、新しい電子飛跡検出アルゴリズムの導入が可能。これらの開発をもとにモンテカルロシミュレーションを構築し性能評価を行った。現時点ではシミュレーションとの誤差が大きくより詰めていく必要がある。 解析手法においてはニューラルネットワークを用いた解析の導入を図った。用いたアルゴリズムは正しく動作しデータ解析に大きく寄与することが期待できる。また電子飛跡の解析部分においてKalmanフィルターの検討を開始した。このフィルターでより正しい飛跡を捉えることが期待できる。 また原子力研究所と京都大学薬学部と協力して新しい放射性薬剤の可能性のある核種の検討を行い、動物実験のプロトコルについても議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究計画では1:モンテカルロシミュレーションの構築、2:解析手法の検討、3:新規放射性核種の検討、の大きく3つの計画を立てた。 モンテカルロシミュレーションの構築は達成した。しかし10%以内に系統誤差を抑える予定であったが達成できていない。今後さらに詰めていく必要があると考えている。解析に関しても予定通り、ニューラルネットを用いた解析手法の検討を行い、単純な系では成功した。教師データにはモンテカルロシミュレーションを用いる予定なので、シミュレーションの系統誤差を詰めていく必要がある。京大薬学部との新しい放射性薬剤の検討では、原子力研究機構で作成している核種を検討し予定以上に進み大きく前進した。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、モンテカルロシミュレーションとカメラの系統誤差をさらに抑える。系統誤差を抑えるとニューラルネット解析が行うことができ、さらなる性能向上が期待される。次に新しい核腫の検討を引き続き行い、京都大学薬学部と試薬の検討を行う。また25年度中盤までに現仕様での最終的な性能評価を行い、有効領域のサイズ、配置、画像化のための統計量、計測時間、被曝線量等の見積もりを行い、臨床応用への見通しを立てる。また成果を論文にまとめ発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
カメラの開発機器の購入。
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Research Products
(2 results)