2013 Fiscal Year Annual Research Report
ラットアナフィラキシーショック時の肝血管収縮に対する肝血管造影法による検討
Project/Area Number |
24791342
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
北楯 優隆 金沢医科大学, 医学部, 助教 (30460372)
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Keywords | アナフィラキシーショック / 門脈造影 / SDラット |
Research Abstract |
ラットやイヌのアナフィラキシーショックに肝血管収縮がみられることが知られている。さらに、その肝血管収縮による門脈圧上昇が血圧低下に関与することがラットのアナフィラキシーで報告されている。ラットではその肝血管収縮部位は類洞より門脈側であることが報告されているが、その門脈における正確な部位は不明である。そこで麻酔下ラットのアナフィラキシー低血圧において門脈造影および組織学的に門脈の収縮部位を特定することを試みた。特に血管造影では肝血管の全体像がわかるがその識別限界は150μmであり、それ以下の血管像は解析できない、そこで組織学的検討で110μm以下の血管像を解析した。 本研究により420μmまでの門脈血管が収縮するが、70μm以下の細静脈の収縮による血管抵抗の上昇が大きいことが推察されるためラットアナフィラキシーでの門脈圧の上昇は主として70μm以下の細静脈の収縮による生じていることが示唆された。ラットにおいて強力な血管収縮物質であるendothelin-1は40μmから80μmの門脈細静脈が特異的に収縮して門脈圧上昇を惹起することが報告されており、本研究結果と類似している。これらからラットの門脈の収縮機構は、門脈細静脈の70~80μm以下に存在し、あたかも括約筋機構のように振る舞い、それらは体循環の主要な血管抵抗部位である細動脈に相当することが示唆された。一方、イヌにおいてアナフィラキシー時の肝血管収縮部位は類洞後の肝静脈に存在することが報告されており、種差の存在も考慮しなければならない。また、ヒトではアナフィラキシー時に肝血管収縮の検討はなく、種差とともに今後の検討が必要である。
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Research Products
(2 results)