2012 Fiscal Year Research-status Report
肝の造影多時相CT検査における医療被ばく線量と造影剤量の最適化
Project/Area Number |
24791346
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
兵頭 朋子 近畿大学, 医学部, 助教 (40403836)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | CT / 低侵襲 / 低管電圧 / 逐次近似法 / 肝腫瘍 / 画像診断 / ヨード造影剤 |
Research Abstract |
本研究の目的は、多列検出器型コンピュータ断層撮影(multi detector-row CT;MDCT)において、低管電圧での撮影条件および逐次近似法による画像再構成の処理を応用することで、肝多時相CT 検査の診断画質を維持しながら、被ばく線量と造影剤使用量を低減した低侵襲CT撮影技術を確立することである。 平成24年度は、画質評価用のファントムを用いて、人体の多時相肝CT 検査をシミュレーションし、被ばく線量および逐次近似法による再構成処理後の画質を調査した。まず、科学研究費補助金を用いて、画像評価用の楕円形断面円筒ファントムを作製した。内部に希釈造影剤を封入し、従来の撮影及び画像再構成方法、並びに低管電圧撮影および逐次近似画像再構成を様々な条件で組み合わせた方法を比較し、CT値、コントラストノイズ比の測定から最適な条件を模索した。同時に被ばく線量及び使用する造影剤量も評価した。最終的に人体模擬ファントムにより、最適プロトコールの妥当性を確認した。 このようにして、慢性肝障害患者のための多時相肝CT検査プロトコールを決定できた。具体的には、標準的撮影条件(120kV、通常線量、逐次近似再構成なし、600mgI/kg(注入時間一定法)、体重に応じ総量を調整)およびこれと比較する低電圧条件として(100kV、逐次近似再構成40%、(設定管電流は最大、480mgI/kg(注入時間一定法)、体重に応じ総量を調整)を設定し、次年度に予定している臨床検査の準備が整った。これは低管電圧撮影及び逐次近似画像再構成を組みわせ、被ばく線量及び使用造影剤量の低減を実現するCT検査プロトコールの構築に繋がる重要な成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
科学研究費補助金の予算内で、実験用ファントムを作成し、当初の計画通りに実験、解析、検証が出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度のファントム実験で決定した、標準的撮影条件と低電圧条件を臨床検査に適用し、患者をランダムに割り付けて各々のプロトコールで検査を行う。Dual Energy CT検査やVolume helical shuttleなど、CT装置の特殊機能を用いた場合についても検討し、随時、撮像条件、被ばく線量、画質(臨床実用性)についての検証を行い、必要に応じてファントムによる再実験を含めたプロトコールの見直しを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費としてデータ解析用パソコン購入(200千円)、消耗品費として解析データ保存媒体(100千円)、国内または海外旅費として研究成果発表(100千円)人件費としてデータ解析収集2人×5日(100千円)にそれぞれ使用する予定である。
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