2014 Fiscal Year Research-status Report
肝の造影多時相CT検査における医療被ばく線量と造影剤量の最適化
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24791346
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
兵頭 朋子 近畿大学, 医学部, 助教 (40403836)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | CT / 低侵襲 / dual-energy CT / 逐次近似法 / 肝臓 / 画像診断 / ヨード造影剤 / デュアルエナジーCT |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は臨床例のデータ収集と解析、途中経過の学会報告を行った。平成25年度に決定した新しい多時相肝CT検査のdual-energy 撮像条件(プロトコールA)は、ヨード造影剤を7割に低減(420 mgI/kg)してdual-energy撮像し、仮想単色X線エネルギー60keVかつ逐次近似再構成50%である。施設内の倫理委員会の承認をうけ、平成25年度後半より平成26年度前半にかけて、説明の上同意を得られた患者について、プロトコールAで60例を目標に臨床データ集積を行った。平成26年度後半より、プロトコールAと同時期に標準的条件(プロトコールB:従来の多色X線CTイメージング120kVpで600 mgI/kg, 逐次近似再構成 50%)にて検査した患者の臨床データを調査し、肝機能などの患者背景をマッチングさせたプロトコールAおよびBの2群で各20~30例の患者背景因子、検査の被ばく線量と画像についてパイロット解析を行った。結果、プロトコールAで被ばく線量を増加させずに画質を担保しうることが示唆された。高齢者や腎障害患者の造影CT検査では、造影剤腎症が生じる懸念があり、投与するヨードを減量することで、腎症の発生リスクを低減しうるとされる。ここまでの研究成果で、より安全で的確な肝の造影多時相CT検査手法の確立に近づいたといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ファントム実験データの検討を重ねたうえで、低侵襲性CT検査の至適プロトコールを決定し、患者の協力を得て臨床画像のデータ集積を完了することができた。パイロット解析の結果を、別項の通り国内外の学会で報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の第1四半期は、パイロット解析で得られた知見を基に、全症例での解析を進める。それ以降は結果のまとめと成果報告に重点をおき研究活動を行う。研究成果は、小課題に分けて、随時、学会発表、論文化を行う。
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Causes of Carryover |
平成26年度は症例集積とパイロット解析の段階で、解析ソフト等の購入が不要であったため、余剰金200千円を次年度に繰り越す。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前期分(4月~9月)は消耗品費として解析データ保存媒体(100千円)、解析用パソコンソフトウェア(100千円)、英文校正費などの研究成果投稿準備(100千円)。後期分(10月~3月)は国内または海外旅費として研究成果発表(100千円),その他英文校正費などの研究成果投稿準備(100千円)にそれぞれ使用する予定である。
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