2014 Fiscal Year Research-status Report
化学交換飽和移動(CEST)MRIの定量評価に関する研究
Project/Area Number |
24791347
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
丹喜 信義 独立行政法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, 技師 (60441573)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | MRI / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度には,アガロースゲルを使って作成したファントムを用いて実験を行い,交差緩和率と呼ばれる簡易的な定量的指標により,化学交換飽和移動(Chemical Exchange Saturation Transfer: CEST)効果を含んだ磁化移動(Magnetization Transfer: MT)効果の定量的評価を試みたが上手くいかなかった.そのため,CEST効果の定量的評価を行うためには,定量モデルについてさらなる検討が必要であると判断して,平成26年度は数値シミュレーションによるCEST効果の定量モデルについて詳細な検討を行った.近年の報告を見ると,CEST効果のより正確な定量的評価を行うためには,測定対象の縦緩和時間や測定装置の磁場強度や照射するラジオ波の強度など測定条件の他,オーバーハウザー効果などの影響も考慮する必要があることが分かっている.そこで,これらの影響も考慮した検討を行うため平成24年度に検討したモデルの改良を行った.また,定量的評価を行うためにコンパートメントモデルを構築する際,どのくらいの数のコンパートメントを想定するのかという問題が生じる.複雑なモデルになるほど,計算時間が増大し,定量的パラメータの推定が難しくなるという問題がある.そこでモデルを極力簡易化した2コンパートメントモデルと複数のコンパートメントを想定したモデルの比較を行い,継続して検討を行っている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の研究計画とは異なり,数値シミュレーションの結果と実機を用いた実験による結果の比較は行えていないが,数値シミュレーションに基づき,CEST効果の定量的評価を行うための検討は進んでおり,研究は概ね順調に進んでいると判断する.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,前年度の検討に引き続き,数値シミュレーションを用いて定量モデルの評価に関する検討を行い,定量パラメータの推定精度の検証を行う.
|
Causes of Carryover |
主な理由として,申請当初に予定していた学会参加が少なかったことが挙げられる.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
解析に使用するコンピュータ関連器材やソフトウェア,情報収集,成果発表のための学会参加費用等に充てる.
|