2014 Fiscal Year Annual Research Report
高感度PETイメージングによる中枢神経疾患と脳血液関門機能の関連性の解明
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24791356
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
岡田 真希 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (00415407)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | PET / 血液脳関門 / アミノイソ酪酸 / 収束超音波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、収束超音波―マイクロバブルによるBBB破綻モデルを使用し、破綻条件変更時の11C-AIBの集積変化、およびGd-DTPA造影MRIとの比較を行った。
1.収束超音波照射後の経過時間および収束超音波の照射音圧による11C-AIB集積への影響をPETで測定した。その結果、照射直後(5min)が最も11C-AIBの集積が高く、照射後の時間が経つにつれ集積が低くなっていった。照射24時間後ではわずかな11C-AIBの集積が認められた程度であった。収束超音波によるBBBの破綻は可逆的であると言われており、この結果は時間経過によってBBB破綻が回復している様子を捕らえていると考えられた。収束超音波の音圧を変化させた実験からは音圧に依存した11C-AIBの集積が見られ、11C-AIB の集積はBBB破綻の程度にも依存していることも示唆された。これらの結果から、収束超音波―マイクロバブルによるBBB破綻の程度や回復状況を11C-AIB PETでイメージングすることが可能であり、BBB破綻条件の検討に11C-AIB PETが有用であると示唆された。
2.収束超音波―マイクロバブルによるBBB破綻モデルを用いて、11C-AIB PETとGd-DTPA造影MRIとの比較を行った。FLASH法によるDynamic MRIの撮像を行い、Gd-DTPAの動態を11C-AIBの動態と比較した。その結果、11C-AIBは時間が経つにつれ集積が増加していったが、Gd-DTPAは投与約10分後に集積がピークに達し、その後徐々に減少していった。この動態の違いはGd-DTPAは細胞外にのみ分布し、細胞内には取り込まれないが、11C-AIBは細胞内に取り込まれるという性質の違いによるものと考えられた。このように、両者の集積の機序が異なるため、各々の性質理解し、イメージングを行う必要性があると考えられた。
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