2012 Fiscal Year Research-status Report
血管壁リモデリング制御因子NogoーBの分子機能解析
Project/Area Number |
24791372
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
近藤 ゆか 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (90440677)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 静脈グラフト |
Research Abstract |
1-1)pcPir-Bの作成 ヒトPir-Bの全長遺伝子はOpen Biosystemsより入手。pShuttle-IRUS-hrGFP-2ベクターに挿入するため、断端をSpeIとPvuIに合わせてデザインしたプライマーによりPir-B全長のPCR、産物をPCR Purification kitにて精製。PCR産物及びpShuttleベクターを切断処理、アガロースゲルによる電気泳動法で分離。カラム精製後、T4-ligaseを用いてPir-B遺伝子をベクターに挿入。ライゲーション後にDH5αコンピテント細胞へ導入、クローニングによりインサートされたpcPir-Bをセレクション。抽出プラスミドはシーケンス解析を行い配列を確認。 1-2)アルカリフォスファターゼ(AP)標識Ng66及びAmNgBの分離精製 Nogoリガンドドメインのペプチドは過去の研究で我々が作成したものを使用。pcDNA1ベクターに挿入したAP-Ng66及びAP-AmNgBプラスミドを、それぞれHEK293T培養細胞にLipofectaminを用いて導入、24時間後に無血清の細胞培養液に培地交換。さらに72時間後に培地を回収し、培養液中のAP活性からペプチド濃度を測定。 1-3)COS細胞へのpcPir-BトランスフェクションとAP標識タンパク結合アッセイ法を用いたキネティクス解析 Pir-BとNogoリガンドペプチドの親和性を観察するために、まず上記1-1)で得られたpcPir-BをCOS-7細胞にトランスフェクション。遺伝子導入48時間後にPir-Bの発現を確認したCOS-7細胞に100-150 mMのAP-Ng66もしくはAP-AmNgBを散布。2時間のインキュベーション後細胞の洗浄と破砕後、65℃15分で処理することで内因性APを不活化、細胞破砕溶液の上清を分離し、AP活性を測定。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画の時点で予想したよりも、実験をするためのまとまった時間が必要となったために遅れている状況です。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続く実験とし以下を予定する。 1)Nogo-Bリガンドによるマウス骨髄性単球の活性制御機能 我々がこれまでにin vivo系で観察してきたNogo-Bの単球系細胞制御について、細胞機能検査によるin vitro解析で検討する。Nogo-Bリガンドに対する受容体については依然不明な部分が多く、前年度に行うPir-Bとの関連性に関わらず、以下の項目はNogo-Bの血管壁肥厚制御メカニズムを理解する上で重要な検討事項と考えられる。 2)Nogo-Bによるタンパク発現制御の網羅的解析 動物モデルでの各種実験結果から、Nogo-Bが単球活性に影響を及ぼしている事は明らかであるが、一方で細胞内のシグナル伝達系に及ぼす効果や、それに伴う細胞表面の接着因子発現、サイトカイン分泌に及ぼす影響についてはまだ未確認である。本項目では最新のプロテインアレイ法を用いて網羅的解析を行い、タンパク発現傾向の全体像を明らかにしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度に充分実験できなかった以下の実験1を引き続き行う。その後次年度実験2を行う。 1)COS細胞へのpcPir-BトランスフェクションとAP標識タンパク結合アッセイ法を用いたキネティクス解析:Pir-BとNogoリガンドペプチドの親和性を観察するためにpcPir-BをCOS-7細胞にトランスフェクション。導入48時間後にPir-Bの発現を確認した細胞にAP-Ng66もしくはAP-AmNgBを散布。インキュベーションを経て細胞の洗浄破砕、内因性アルカリフォスファターゼを不活化後、細胞破砕溶液の上清を分離しアルカリフォスファターゼ活性を測定。 2)Nogo-Bによるマウス骨髄性単球の活性制御機能:in vivoで観察してきたNogo-Bの単球系細胞制御につき、in vitroでの解析。 2-1)マウス骨髄からの単球単離:Pir-Bノックアウトマウスを犠牲死させた後、大腿骨より骨髄を採取。フィルター濾過後、Histopaque-1083 (Sigma Aldrich)を用いて単球を遠心分離、20%FBS/RPMIにて約10日間培養して細胞数を確保する。単離精度はCD45及びCD68でラベルしてFACSにより確認。 2-2)単球遊走機能の解析:Boyden chamberを用いて評価。下方チャンバーにはMCP-1(100ng/ml)をアプライして単球遊走能を刺激。下方チャンバーには1.0x104cell/50μlの単球と、濃度勾配をつけたAP-Ng66/AP-AmNgBをアプライ。インキュベーション後、洗浄しヘマトキシリン染色後に侵入細胞を検鏡。 2-3)単球接着機能の解析:マウス大動脈よりクローニングした血管内皮細胞を培養。コンフルエント状態で、培養液をAP-Ng66/AP-AmNgBを加えたPBSに交換、そこにMCP-1で前処理後の単球をアプライ。接着状況を染色して検鏡観察する。
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[Journal Article] Vascular endothelial growth factor-A inhibits EphB4 and stimulates delta-like ligand 4 expression in adult endothelial cells.2013
Author(s)
Yang C, Guo Y, Jadlowiec CC, Li X, Lv W, Model LS, Collins MJ, Kondo Y, Muto A, Shu C, Dardik A.
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Journal Title
Journal of Surgical Research
Volume: 183(1)
Pages: 478-86
DOI
Peer Reviewed
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