2013 Fiscal Year Research-status Report
血管壁リモデリング制御因子NogoーBの分子機能解析
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24791372
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
近藤 ゆか 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (90440677)
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Keywords | 静脈グラフト |
Research Abstract |
2)Nogo-Bリガンドによるマウス骨髄性単球の活性制御機能評価 2-1)マウス骨髄からの単球単離(WT, Pir-B KO):Pir-Bノックアウトマウスは、Stanford大学のDr. Carla Shatzの好意により供与されたものを繁殖して用いる。マウスを犠牲死させた後、大腿骨より骨髄を採取する。 フィルターによる濾過の後、Histopaque-1083 (Sigma Aldrich)を用いて単球を遠心分離し、20%FBS/RPMIにて約 10日間培養して実験に充分な細胞数を確保する。単離精度はCD45及びCD68でラベルしてFACSにより確認する。 2-2)単球遊走機能の解析: 遊走機能はBoyden chamberを用いて評価する。5.0μmのポアサイズ膜を使用し、 下方チャンバーにはMCP-1(100ng/ml)をアプライして単球遊走能を刺激する。上方チャンバーには1.0x104cell/5 0μlの単球と、ウェルごとに濃度勾配をつけたAP-Ng66/AP-AmNgBをアプライする。6時間のインキュベーション の後、膜に侵入した細胞を観察するため、洗浄の後にヘマトキシリン溶液にて染色し検鏡する。 2-3)単球接着機能の解析: マウス大動脈よりクローニングした血管内皮細胞を96穴平底プレートに培養する 。コンフルエント状態で、培養液をAP-Ng66/AP-AmNgBを加えたPBSに交換し、そこにMCP-1で前処理された1.0x10 4cell/50μlの単球をアプライする。単球の内皮細胞への接着状況はFITC-CD45で染色して検鏡観察する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験に対してのまとまった時間を採ることが難しく当初の予定よりもやや遅れています。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続く実験として以下を予定する。 3)Nogo-Bによるタンパク発現制御の網羅的解析:最新のプロテインアレイ法を用いて網羅的解析を行い、タンパク発現傾向の 全体像を明らかにしていく。 培養下に十分量の細胞数を確保した単球をMCP-1であらかじめ刺激しておく。上記実験2)において最も効果に 差が出た濃度のAP-Ng66/AP-AmNgBを単球にそれぞれ投与し、24時間後に細胞を採取する。破砕、分離、タンパク 濃度測定の後、プロテインアレイ法 ( Protein MicroArray) を用いてタンパク発現制御の網 羅的解析を行う。本アレイプレートにはキナーゼ、転写因子、膜タンパク、核タンパク、シグナリング、サイト カイン、アポトーシスなど様々な約9,400種類のタンパク質がスポットされており、定性的にではあるが、非常 に多彩なタンパクの発現傾向を同時に知ることが出来る。この実験結果に基づき、有力な候補タンパクについて はそれぞれの抗体を用いたWestern blottingによる確認実験と発現量の相対的定量を行う。 さらに、これまでに得られた結果を取りまとめ、成果の発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画よりも実験にまとまった時間が必要となり進捗が遅れています。 予定であったマウスから分離培養した単球の培養が進まず、培養細胞の遊走機能及び接着能の評価に関する実験が完遂できていないために次年度使用額が生じてしまいました。 培養単球を、Boyden chamberを用いて評価する。下方チャンバーにはMCP-1をアプライし単球遊走能を刺激する。濃度勾配をつけたAP-Ng66/Ap-AmNGをアプライしインキュベーション後洗浄しヘマトキシリン染色後に細胞を検鏡する。単球接着機能も同時に解析する。
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