2012 Fiscal Year Research-status Report
ヒト食道癌におけるT-reg、Th17細胞の遊走・分化と病態進行の検討
Project/Area Number |
24791404
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
丸山 孝教 山梨大学, 医学部附属病院, 医員 (30348221)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 食道癌 / T-reg / Th17細胞 |
Research Abstract |
1.食道手術切除検体からTILとIELを採取しT-reg/Th17細胞の割合を測定する実験では、全症例で正常粘膜に比べ腫瘍部でT-reg/Th17細胞がともに増加していることが確認できた。StageごとのT-reg/Th17細胞比を検討すると、StageIと比較しStageIIの2例とStageIIIの2例ではT-regが増加してTh17細胞が減少している傾向が確認できた。しかし、残りのStageII/IIIの3例では、T-reg/Th17細胞比がStageIとあまり変わらず、細胞数も比較的少なかった。これが術前化学療法によるものかどうかは不明であり、今後術前化学療法の治療効果と合わせて検討が必要と思われる。 2.PCRを用いて組織内のFoxp3 m-RNAおよびRORγt m-RNAを測定する実験では、1の実験と照合させたがStageIも含め半数以上の症例で一致しなかった。これは細胞膜表面のタンパク発現と遺伝子発現の不一致によるものと考えられる。 3.免疫染色法を用いて食道癌切除標本内のT-regとTh17細胞数を測定する実験は1と同様の結果が得られた。 4.末梢血からT-regを分離し、CCL17/CCL22の存在下で遊走することを確認する実験では患者5症例、健常者5症例について検討を行い、参考文献と同様にCCL17/CCL22がT-regの遊走因子であることが確認できた。 5.末梢血からTh17細胞を分離し 、ケモカインの存在下で遊走することを確認する実験では4と同様の実験方法で、ケモカインMCP-1とI-309に関し実験を行ったがTh17細胞の遊走は確認できなかった。引き続き他のケモカインンに関し実験を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
食道手術切除検体からTILとIELを採取しT-reg/Th17細胞の割合を測定し、全症例で正常粘膜に比べ腫瘍部でT-reg/Th17細胞がともに増加していることが確認できた。免疫染色法を用いて食道癌切除標本内のT-regとTh17細胞数を測定する実験においても同様の結果が得られた。しかし末梢血からTh17細胞を分離し、ケモカインの存在下で遊走することを確認する実験では、ケモカインMCP-1とI-309に関し実験を行ったがTh17細胞の遊走は確認できなかった。引き続き他のケモカインンに関し実験を行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の計画を継続し、食道癌症例に対し検討を行う。 得られた結果を病期・病型分類・組織型・腫瘍径・壁深達度・脈管侵襲の程度・リンパ節転移の有無などで分類し解析を行う。 また、各症例ごとにFlow cytometry、PCR、免疫染色の結果を比較し、その整合性と実験の正確さを示す。 新たなケモカインやCCRに対する抗ヒトモノクローナル抗体が流通したら、それらがT-regやTh17細胞の動態に影響を与えるかどうか、よく検討し実験に用いる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、試薬等が定価より安価で購入できたため未使用金が生じた。 平成24年度の未使用金と合わせてFlow cytometryに使用する試薬、PCR用試薬、免疫染色用試薬、migration assay用試薬を購入予定である。 また、不足しているディスポーザブル用品も購入予定である。
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