2013 Fiscal Year Annual Research Report
胆管上皮マーカー陽性肝細胞癌細胞における癌幹細胞としての特性解析
Project/Area Number |
24791409
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
児玉 創太 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (10583875)
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Keywords | 再生医学 / 癌幹細胞 / 肝臓癌 |
Research Abstract |
1.ヒト肝細胞癌細胞株を用いたCK19陽性細胞の単離解析 CK19プロモーター下に蛍光蛋白EGFPを発現するプラスミドベクターを作成、これを4種類のヒト肝細胞癌細胞株(Huh7, HLF, PLC/PRF/5, Hep3B)に遺伝子導入し安定導入株を作成した。CK19陽性細胞と陰性細胞をフローサイトメトリーにてそれぞれ単離、各種解析を行った。Single-cell sort analysis・MTS assay・Soft agar colony formation assayを用いて、CK19陽性細胞が癌幹細胞の性質(自己複製能・分化能・腫瘍形成能)を有していることを示した。またNOD/SCIDマウスへの異種移植実験において、CK19陽性細胞はCK19陽性および陰性細胞からなる径の大きい腫瘍を高頻度で形成したことから、CK19陽性細胞がin vivoにおいても癌幹細胞の性質を有していることを示した。さらにRT-PCRによる遺伝子発現解析にて、CK19陽性細胞がEMT(上皮間葉転換)に関わる遺伝子の発現量が多いことが判明した。 2.ヒト肝細胞癌臨床検体を用いたCK19陽性肝細胞癌の解析 我々の施設にて手術を施行した肝細胞癌166症例の手術検体に対して免疫染色を行い、CK19発現と予後との関係を解析したところ、CK19発現は術後早期再発の独立予後予測因子であることが判明した。また、CK19発現は腫瘍径と有意に相関しており、旺盛な腫瘍増殖に関与している可能性が示唆された。さらに、本解析集団のうち10症例を選択し遺伝子発現を調査したところ、細胞株での実験結果と同様にCK19陽性症例ではEMT関連遺伝子の発現量が有意に高いことがわかった。 上記より、CK19陽性細胞は肝細胞癌において癌幹細胞の性質を有しており、高い腫瘍増殖能およびEMTに関連しているとの結論を得た。
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Research Products
(2 results)