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2012 Fiscal Year Research-status Report

がん微小環境における癌関連線維芽細胞を標的とした新たな癌治療法の開発

Research Project

Project/Area Number 24791423
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

野間 和広  岡山大学, 卒後臨床研修センター, 助教 (10534761)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywordsがん微小環境 / 癌関連線維芽細胞 / 消化器癌 / 食道癌 / 光線免疫療法 / 近赤外線
Research Abstract

本研究は、CAF(癌関連線維芽)細胞の癌進展におけるその重要性からCAF自体を制御し抗腫瘍効果を期待する新たなコンセプトを有する抗がん治療の提案を目的とする。手法はCAFの特異的表面抗原を用いた抗体療法にてその抗腫瘍効果を検討する。初年度は食道癌におけるCAFの臨床病理学的検討を行い、さらに特異抗原を標的とした抗体療法の確立を行う。2年目にはその抗体療法の選択的抗CAF細胞効果やその抗腫瘍効果の検討を行う予定とした。平成24年度においては、P1:食道癌の切除標本におけるCAFの発現の臨床病理学的検討を行った。食道扁平上皮癌の切除標本を用いてCAFをαSMAとFSP1(線維芽細胞の特異的マーカー)の2重蛍光免疫染色法を用いて解析し、食道癌の浸潤度(進行度)に従ってCAFを多く認めた。続いてP2:TGFβや癌細胞からのmediumを用いた誘導にてCAFを作成し、実際の癌細胞との相互作用をin vivoにて検討したところ、CAFと共培養した腫瘍のXenograftが有意に増大することを確認した。さらにP3:特異的表面マーカーを設定するにあたり、より特異度の高い抗原FAP(Fibroblast Activation Protein)のCAFにおける発現を解析した。免疫染色や蛋白発現の解析、またFACSによる表面抗原としての解析のいずれにおいてもFAPの高発現を確認し、FAPの特異性や抗体療法の標的としての可能性を示した。さらにFAPを用いてCAFを標的とし細胞死を誘導する実験を行った。方法は共同研究者である小林らが報告したIR700dyeを用いた光線免疫療法を採用した。in vitroにおいて90%以上の抗CAF細胞効果を認めた。CAF自体を標的とした本実験は今まで報告のないアプローチであり非常に革新的な手法であると考えている。今後は腫瘍自体への抗腫瘍効果を検討する予定としている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究においては2年間で以下のプロジェクトを上げ、平成24年度においてはP1からP3の一部を行う予定としていた。実際現在までに概要で述べたようにP1およびP2は遂行でき結果を導きだせた。現在はCAF特異抗原であるFAPを用いた光線免疫療法の検討中であり、in vitroからin vivo試験を行っている。従って計画された項目を概ね順調に進展していると言える。P-1 食道癌の切除標本におけるCAF細胞の臨床病理学的検討とCAF細胞マーカーの検討、P-2 CAF細胞の腫瘍における相互作用の検討(in vitro, in vivo)、P-3 CAF細胞の特異的マーカーに対する抗体を用いた選択的線維芽細胞の細胞死の誘導試験、P-4 選択的にCAF細胞を標的とした抗腫瘍効果の検討(in vitro, in vivo)、P-5 抗癌剤(5FU、シスプラチン)との併用療法による抗腫瘍効果の検討(in vitro, in vivo)

Strategy for Future Research Activity

今後は上記プロジェクトの以下のP3以降にあたる、CAF細胞に対する光線化学療法の効果をさらに検討しin vivoにおける効果を解析する。続いて現在標準的に行われている食道癌に対する化学療法との併用療法においてどのような有益性があるか検討解析する予定である。一方で現在まで得られた知見を学会発表を行い、また論文発表に至るように作成を行う。
P-3 CAF細胞の特異的マーカーに対する抗体を用いた選択的線維芽細胞の細胞死の誘導試験
P-4 選択的にCAF細胞を標的とした抗腫瘍効果の検討(in vitro, in vivo)
P-5 抗癌剤(5FU、シスプラチン)との併用療法による抗腫瘍効果の検討(in vitro, in vivo)

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度は、さらにCAF細胞を標的とした抗がん治療の可能性を探索すべき、基礎研究を進める。予定支出としては、CAF細胞に対する光線免疫療法に必要な抗体や薬剤、また細胞培養に必要な薬剤および物品、さらには多くのvivo実験用にマウス購入の資金に使用する。また解析用に免疫染色やウェスタン、FACS用の試薬などにも使用する予定としている。次年度においても初年度同様に国内外の学会へ発表するその費用にも当てる予定である。最終年度としては論文作成も開始しその作成費用にも使用することとしている。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 Other

All Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] Cancer-associated fibroblasts contribute to progression of esophageal cancer2012

    • Author(s)
      Shinichiro Watanabe
    • Organizer
      日本癌学会学術総会
    • Place of Presentation
      札幌
    • Year and Date
      20120919-20120921
  • [Remarks] がんの間質細胞を標的とする治療開発

    • URL

      http://www.ges-okayama-u.com/research.html#1

URL: 

Published: 2014-07-24  

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