2012 Fiscal Year Research-status Report
慢性虚血心におけるエリスロポエチン投与下大網充填術による新たなる外科治療の確立
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24791457
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
石田 成吏洋 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (90397331)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 重症冠動脈疾患 / エリスロポエチン / 大網充填術 / 慢性虚血心 |
Research Abstract |
本研究は従来の治療法である冠動脈バイパス術や経カテーテル的冠動脈形成術では血行再建が困難なび慢性冠動脈狭窄を有する重症冠動脈疾患症例に対する新たな外科的血行再建術の確立するため、ウサギ慢性虚血心モデルにおいて、大網充填術及びエリスロポエチン投与により心機能改善を果たすとともにそのメカニズムを解明することがその目的である。 本年度はメカニズムの解明の一手段として、まずはエリスロポエチン単独投与による心不全改善効果の有無を検討した。方法としては、ラットを用いて肺切除後肺高血圧による二次性うっ血性右心不全モデルを作成し、無治療群(N群)とエリスロポエチン皮下投与群(E群)の二群に群分けして、二群間の慢性期右心不全について心重量、右室心筋細胞の短径、右室重量を検討項目として評価した。心重量は二群間に有意差は認めなかったが、右室肥大評価はN群に対しE群では有意に改善し、右室壁重量もE群ではN群と比較して有意に改善した。エリスロポエチン単独投与でも慢性心不全の改善効果がある事が示唆された。 次年度は更に大網充填術施行群を追加し、ウサギ慢性虚血心モデルにおいて、無治療群、大網充填術のみの群、エリスロポエチン投与のみの群、大網充填術及びエリスロポエチン投与群において心機能など評価し、大網充填術のみの群及びエリスロポエチン単独投与群と比較して、併用群において更なる心機能改善効果があるか否かを検討し、その効果が確認できれがそのメカニズムを解明する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度においては、ウサギ慢性虚血心モデルにおいて、無治療群、大網充填術のみの群、エリスロポエチン投与のみの群、大網充填術及びエリスロポエチン投与群の四群を作成し、生化学的心不全評価、心エコーによる心機能評価、ミラーカテーテルを用いた左室収縮能や拡張能などの血行動態を評価する予定であった。しかしながら、本年度はエリスロポエチン単独投与による慢性心不全の改善効果の有無のみの検討であったため、やや遅れていると判断した。しかしながらエリスロポエチン単独投与でも慢性心不全の改善効果を有する事が示唆されたため、次年度は大網充填術のみの群及びエリスロポエチン単独投与群と比較して、併用群において更なる心機能改善効果があるか否かを検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ウサギ慢性虚血心モデルにおいて、無治療群、大網充填術のみの群、エリスロポエチン投与のみの群、大網充填術及びエリスロポエチン投与群の四群を作成し、生化学的心不全評価、心エコーによる心機能評価、ミラーカテーテルを用いた左室収縮能や拡張能などの血行動態評価を行う予定である。また、そのメカニズムの解明として、病理組織学的評価として虚血及び梗塞領域の計測、新生血管の有無及び程度、VEGFなどの血管新生因子の測定を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は当初の計画を追加変更し、予備実験としてラット二次性うっ血性右心不全モデルを作成し、無治療群とエリスロポエチン皮下投与群おける慢性期右心不全の改善効果について検討した。比較的簡便な方法で評価、検討したため、検査項目や測定項目が当初の予定より簡便となり、次年度に繰越金が発生した。 次年度の研究費の使用としては、血行動態評価や病理組織学的評価を行うための物品購入及び研究実験方法の更なる検討のための外国語論文の校閲、成果発表としての論文投稿および国際学会での成果発表などに使用する予定である。
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