2013 Fiscal Year Research-status Report
マイクロCTを用いた筋腱付着部障害に関する解剖学的研究
Project/Area Number |
24791525
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
二村 昭元 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (40622098)
|
Keywords | 解剖 / 腱板断裂 / 上腕骨外上顆炎 |
Research Abstract |
1、腱板停止部に関する研究 腱板(局常勤・棘下筋)上腕骨側停止部の骨形態に関する特殊性と腱停止部との関係性を見出すために、乾燥骨標本の肉眼的解析を行うことにより大結節に従来あるとされる上面・中面のほかに、それらの境界に「外側面」と考えることのできる新たな面が大きさはサンプル間でばらつきがあるものの、全標本に存在することを見出した。さらに同部と腱板筋群走行位置との関係を明らかにするため、棘下筋の前縁にX線非透過性マーカーを留置しマイクロCTを撮像し3D再構築を行うことにより、棘下筋停止部の前縁と「外側面」と上面との境界が一致することが判明した。すなわち棘下筋はその「外側面」の前縁にむかって停止していることを明らかにすることができた。この知見は腱板断裂治療における解剖学的修復をめざす術式開発に大きく寄与するものである。 2、短橈側手根伸筋起始部に関する研究(上腕骨外側上顆炎) 短橈側手根伸筋起始部の肉眼的検討に続き、同部のより深層構造である関節包・回外筋・輪状靱帯複合体の付着形態についての検討を行った。長・短橈側手根伸筋・総指伸筋・小指伸筋を各々起始部より同定・剥離し関節包複合体のみで結合した肘関節標本を作製し、それを肘関節内側より剥離することにより複合体の付着構造を示すことができた。その付着が工法に比べ短橈側手根伸筋前方においては非常に薄く脆弱であることを見出し、上腕骨外上顆炎の病因解明の一助となり得ると考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に分析予定であった腱板付着部に対するマイクロCTを用いた解析により成果を上げている。 また平成25年度以降に行う予定になっている短橈側手根伸筋起始部の解析をさらに進行させて、その深層構造に関する成果も上げている。
|
Strategy for Future Research Activity |
1、腱板停止部に関する研究 停止部の障害の病態である層間剥離という臨床像について、本年度までの成果に即して臨床例の手術所見や画像所見を元に解析する。 2、短橈側手根伸筋起始部に関する研究(上腕骨外側上顆炎) 関節包・回外筋・輪状靱帯複合体の付着構造をさらに背側方向へ解析することによって、外上顆炎のみならず肘関節安定性を制御する機構について明らかにする。さらに伸筋群や関節包複合体と骨形態との関係性を解析するために、マイクロCTを用いた解析をおこなう。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
短橈側手根伸筋付着部における組織学的解析を翌年度に持ち越したため当該年度において余剰が発生した 平成26年度に短橈側手根伸筋付着部における色素染色や免疫染色を行うための試薬代として使用予定である
|