2013 Fiscal Year Research-status Report
緻密質、多孔質ポリウレタンを組み合わせた新しい骨欠損補填材料の開発
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24791526
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
吉井 俊貴 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50583754)
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Keywords | 整形外科 |
Research Abstract |
吸収性人工材料ポリウレタン(PUR)は組織工学における足場材料として研究されており、心血管再生、神経再生、皮膚再生領域などでPURの足場材料としての有用性が示されている。多孔質PUR scaffoldは連通性多孔質構造を有し組織侵入に優れ、生体吸収性であり、また適度な弾性を有することから組織欠損部での適合性に優れる。 多孔質PURは組織再生の足場材料として非常に有用であるが、一方で多孔体であるが故に圧縮強度は低く、荷重部での単独使用には適さないと考えられる。そこで応募者らはPUR重合前に resin componentに同種骨などのsolid fillerを加えることで、力学的強度を向上させられることを確認した。PURに同種骨を高重量%加えた緻密質PURは力学的強度に優れ、in vivoの移植実験で良好な骨伝導性を示した。次に同種骨の使用は本邦では普及していない背景を勘案し、同種骨ではなく生体骨の主要成分であるハイドロキシアパタイト(HA)を高重量%使用する方法(PUR-HA)を考案し、その力学的特性、In vitroでの骨伝導性を検証した。In vitroでの力学試験では、70%、79%の重量%のリン酸カルシウム(CaP)すなわちハイドロキシアパタイト、三リン酸(TCP)を付加させ、良好な力学強度を得た。また骨芽細胞前駆細胞をインプラント上で培養、分化させ、良好な細胞増殖、骨分化がおこることを確認した。現在、このPUR-CaPを中空状に形成し、内部に多孔質PURを組み込むCompositeタイプを作成している。また、内部に組み込む、多孔質PURの薬剤担体としての有用性も検討した。骨形成作用を有するスタチンを局所投与し、ラット骨欠損モデルにて、その骨再生促進作用を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今回の研究の目的は、新しいタイプの人工材料の開発とそのin vivoでの有用性の見当であるが、当施設の動物実験施設が急遽、改築のため閉鎖され、予定していたin vivo実験の実施が困難であったため。そのため、研究期間の延長を申請し、受理された。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験施設が再使用可能となり次第、予定していたin vivo実験、その解析に着手する。その他、実験計画に従って、必要なin vitro実験も並行して行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今回の研究の目的は、新しいタイプの人工材料の開発とそのin vivoでの有用性の見当であるが、当大学の動物実験施設が急遽、改築のため閉鎖され、予定していたin vivo実験の実施が困難であったため。 動物実験施設が使用可能となり次第、予定していたIn vivoの実験を再開する。動物実験に伴う飼育費、手術器具や検体の解析などに予算を使用する予定。
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