2013 Fiscal Year Annual Research Report
マウス損傷脊髄に対するヒト骨髄幹細胞移植後のmicrogliaの組織学的検討
Project/Area Number |
24791530
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
渡邉 修司 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (00596679)
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Keywords | 脊髄損傷 / 骨髄間質細胞移植 / インターロイキン6受容体抗体 / 細胞生存 / アポトーシス |
Research Abstract |
前年度に引き続き、脊髄損傷マウスモデルを用いて、骨髄間質細胞(以下BMSC)移植の有用性や損傷脊髄内でのBMSCの動態について検討を行った。前年度はヒトBMSCを使用したが、臨床応用にむけて同種のBMSCの使用が望ましいと考えたため、本年度は主にマウスBMSCを用いた研究を実施した。 脊髄損傷直後に抗IL-6受容体抗体(MR16-1)を投与し、損傷後3日目にマウスBMSC(GFP発光)を損傷部に移植を行ったものを治療併用群として検討した。免疫組織学的に評価を行うと、併用群ではBMSC単独治療群と比較して、損傷脊髄内でのBMSCの生存率は有意に上昇し、運動機能はそれぞれの単独治療群と比較しても有意に改善がみられた。このメカニズムとして、損傷脊髄内の炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6)が併用群で著明に抑制され、神経保護的な因子(NGF、BDNF、VEGF、IGF-1)の発現が促進されていることが示された。移植BMSCもapoptosisが免疫染色(TUNEL染色、caspase-3,-8,-9)およびflow cytometry(Annexin-V)などによる評価で著明に抑制されており、細胞生存に関わるとされるpERK1/2やpAktなどの発現が増強していた。 以上より脊髄損傷における移植BMSCの生存や細胞死のメカニズムが明確となり、BMSC単独では効果が薄いという問題点に対してMR16-1併用が非常に有効であることが示された。この結果について2013年にJournal of Neuropathology and Experimental Neurologyに投稿し、acceptされた。
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Research Products
(5 results)