2012 Fiscal Year Research-status Report
術中脊髄モニタリングにおける新しいアラームポイントの策定
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24791535
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 全哉 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (50447819)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | Amplitude / モニタリング / 70%以下低下 |
Research Abstract |
2007-2009年に脊椎脊髄病学会モニタリング委員会により、モニタリングの実態を把握すべく後ろ向き全国多施設調査を施行しアラームポイントを振幅の70%低下と定めた。 引き続きその妥当性を評価すべく2010-2011年に前向き全国多施設調査を行った。本研究の目的は、前向き全国多施設調査における胸椎OPLL手術の脊髄モニタリングの有用性を、後ろ向き全国多施設調査の結果と比較し検討する事である。対象は2007-2009年に後ろ向き全国多施設調査(以下R群)を施行し集積しえた全7,143例中胸椎OPLL 42例(麻痺12例)と、2010-2011年に前向き全国多施設調査(以下P群)を施行し集積しえた全959例中114例(麻痺13例)。 麻痺率はR群12/42例(28.5%)、P群13/114例(11.4%)と有意にP群では麻痺率が低下した。(p<0.01) レスキュー症例はR群2例、P群7例、レスキュー率はR群2/14例(14.3% )、P群7/20例(35.0%)であり有意差はなかったもののP群のモニタリング条件下ではよりレスキューしうることが判明し、また麻痺残存率は、1カ月以内のものはR群1/12例(8.3% )、P群2/13例(15.4%)であり有意差はなかったもののP群で1例のみ多かった。しかし、3か月以上の麻痺残存症例はR群6/12例(50.0% )、P群7/13例(53.8%)で共に高率であった。 麻酔及びモニタリングの条件を施設間で統一したことにより、明らかに麻痺を減じることが出来、アラームポイントを振幅の70%低下としたモニタリング方法でレスキューし得た症例が増加した。以上より胸椎OPLL手術の脊髄モニタリングに関して現行でのモニタリング条件の有用性が示唆された。但し、3か月以上の麻痺残存例は両群共に変わらず多いため、今後さらなるモニタリング条件の検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アンケート調査を再検討し、徐々に目的達成について進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
全国prospectiveアンケート調査を行う。 頭蓋刺激条件(刺激強度、刺激頻度)、手術麻酔環境(導入時・維持麻酔時の筋弛緩剤を含む麻酔薬量)を一定にすることをあらかじめ周知しておき、2007年のretrospective studyアンケート調査に引き続き、アンケートは脊椎脊髄病学会研修施設及び靭帯骨化症研究班施設の計72施設に送付予定。 モニタリング症例の調査・集計・解析を行い新しいアラームポイントの策定を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究遂行に必要な試薬、手術・および実験器具の購入を計画している。 また、アンケート送付のための通信費、研究成果・情報収集のための国内外学会参加の旅費、研究データを集積するための解析ソフトの購入を計画している。
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