2013 Fiscal Year Annual Research Report
術中脊髄モニタリングにおける新しいアラームポイントの策定
Project/Area Number |
24791535
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 全哉 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50447819)
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Keywords | モニタリング / アラームポイント / 15%波形低下 |
Research Abstract |
脊髄損傷後の波形変化のメカニズムを解明するとともに、全ての麻痺を未然に防げる新しいアラームポイントを策定する事を本研究の目的としていた。 未だに施設間でばらつきのある頭蓋刺激条件(刺激強度、刺激頻度)、手術麻酔環境(導入時・維持麻酔時の筋弛緩剤を含む麻酔薬量)を一定にした全国prospectiveアンケート調査・studyを行いたいと考え、さらに信憑性が高く麻痺を生じない新たなアラームポイントを策定することが第一の目標であった。 この度、特に麻痺率が30%を超える胸椎後縦靭帯骨化症に関して全国アンケートを行い、一定の見解を得た。 以下に示す。1:モニタリング波形が低下したポイント(麻痺を呈したと考えうる操作)術後麻痺を呈した全25例の内訳は、体位変換による波形低下1例、傍脊柱筋を展開中での波形低下1例、狭窄部除圧操作による波形低下21例、狭窄部以外の除圧操作による波形低下1例、インプラント併用例での後彎矯正操作による波形低下1例と様々なポイントで波形低下を来した。2:胸椎OPLL手術におけるモニタリングのアラームポイントモニタリング委員会の推奨するコントロール波形の30%以下の低下をアラームとした場合、30%以下の波形変化を呈した症例は34/156例で、そのうち麻痺を呈した25例は全例でコントロール波形の15%以下まで波形低下していた。 すなわち30%でアラームをすることで9/34例(26%)の麻痺を回避しえた結果となった。以上が本研究から得られた有益な結果であった。
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