2013 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系でのADAMTS-13の機能解明および脊髄損傷治療への応用
Project/Area Number |
24791536
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田内 亮吏 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (50584744)
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Keywords | 脊髄損傷 / 神経再生 / プロテオグリカン / ADAMTS / 血管再生 / vWF / 運動機能回復 |
Research Abstract |
ADAMTS-13はa disintegrin and metalloproteinase with thrombospondin motif(ADAMTS) family(ADAMTS-1~20)のうちの一つで止血因子であるvon Willebrand factor (vWF)の分解作用をもつとされる。昨年度の実験にては、RT-PCRおよび細胞免疫染色により、中枢神経系細胞によるADAMTS-13因子の分泌を確認した。 次にADAMTS-13のラット脊髄圧挫損傷モデルでの脊髄中の発現とその活性の検討し、ADAMTS-13タンパクの脊髄中での発現を確認、蛍光ペプチドアッセイでの同タンパクの活性上昇を認めた。ADAMTS-13酵素注入実験を行う前段階として、ADAMTS-13酵素にプロテオグリカンの軸索阻害機構を抑制する効果があるかを培養神経細胞を用いて、in vitroにて確認を行った。プロテオグリカンでコーティングした培養プレート上における軸索伸長阻害効果を確認しているが、これはコンドロイチナーゼABCやADAMTS-4によって解除される。 これらの酵素をpositive controlとして、ADAMTS-13酵素の効果を確認したが、プロテオグリカンの軸索阻害機構の抑制は見られなかった。次に、IHインパクターにて8w齢雌ラットの脊髄損傷モデルを作成し、硬膜下に同酵素を真空ポンプから硬膜下に注入する実験を計画した。ADAMTS-13酵素の濃度を振り分け、positive controlにコンドロイチナーゼABC、negative controlとしてPBSを用いる予定で計画した。 ラットは脊髄損傷作成後、術後1日、その後は術後1週間ごとにBBBスコアにて運動機能を確認し、8週間の運動機能観察の後に、免疫染色により軸索再生、グリア瘢痕などの確認を行った。今後更なる確認を要する。
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