2012 Fiscal Year Annual Research Report
滑膜肉腫特異的融合遺伝子の機能解析および肉腫宿主細胞の相互作用の検討
Project/Area Number |
24791543
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹中 聡 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (00588379)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 滑膜肉腫 / 融合遺伝子 / 腫瘍微小環境 / In vivo imaging |
Research Abstract |
滑膜肉腫特異的な融合遺伝子SS18-SSXの機能解析として、これまで我々はSS18-SSX特異的なsiRNAを滑膜肉腫細胞に導入することにより細胞形態が変化することを発見し報告した。しかし、SS18-SSXの発現抑制が一過性であること、siRNAの導入効率が100%でないことから厳密な機能解析が困難であった。今回、テトラサイクリン投与によりSS18-SSX1に特異的なshRNAを発現することができるコンストラクトを作成し、患者検体より樹立した滑膜細胞株にウイルスを用いてこのコンストラクトを導入し、テトラサイクリンの投与によりSS18-SSXの発現量が低下することを確認することができた。この系においても、以前に報告した通りSS18-SSXの発現抑制による細胞形態の変化を生じた。今後、このコンストラクトの安定発現株を樹立することで、厳密なSS18-SSXの機能解析を行う予定にしている。 また、これまで我々は皮下移植によって高率に肺転移をきたす骨肉腫細胞株LM8を樹立し、肺転移の成立初期にNFkbシグナルが重要であることを報告してきたが、肺転移成立およびその後の増大において、肺の微小環境がどのような役割を果たすかは不明である。今回、LM8にLuciferaseおよびGFPをウイルスを用い、安定的に導入した細胞株を樹立することで腫瘍細胞を可視化することに成功した。この細胞はもとのLM8と同様に皮下移植によって高率に肺転移を生じることを確認しており、この細胞を用いることで腫瘍細胞と宿主細胞との区別がIn vitroおよびIn vivoの生体内でも観察が可能となった。今後この細胞を用いることで肉腫肺転移における腫瘍細胞と宿主細胞の相互作用の解析を行う予定にしている。
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