2014 Fiscal Year Annual Research Report
整形外科学と細菌学の融合による新規骨折治癒促進法の開発
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24791560
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
内田 健太郎 北里大学, 医学部, 助教 (50547578)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | コラーゲン結合型成長因子 / コラーゲン結合ドメイン / 塩基性線維芽細胞増殖因子 / 脱灰骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢化に伴い骨折患者数は年々増加している。高齢者における骨折は寝たきり原因の4位である。寝たきりは認知症や肺炎、褥瘡など、重篤な合併症を引き起こすことから、高齢者の骨折治療は極めて重要である。本研究では、骨折部への局所投与を可能とするコラーゲン材料、粉砕骨とコラーゲン結合型成長因子を用いた低侵襲な骨折治癒促進法の実用化を目指し、骨折治癒遷延を示すマウス骨折モデルを用いた検討を行った。局所投与可能なコラーゲンパウダーとコラーゲン結合型塩基性線維芽細胞(CB-bFGF)を併用することにより高齢者骨折を模擬したマウスにおける骨形成促進を実現した(J Biomed Mater Res A, 2014)。さらに、本研究成果により、日本国特許の取得(特許第5512887号)、企業への技術移転を実現した。これによりコラーゲンパウダーとCB-bFGFの併用による低侵襲高齢者骨折促進シーズの実用化に向けて大きく前進したものと考えられる。また、局所投与可能な粉砕脱灰骨とCB-bFGFの併用により同モデルにおける骨形成促進を実現した(J Orthop Surg Res, in press)。申請者等は日本組織移植学会認定の骨バンクを整備しており、ドナーから採取した骨組織を採取、処理、保存した良質で安全性の高い骨組織を治療に用いることができる。従って、粉砕脱灰骨とCB-bFGFによる高齢者骨折治癒促進シーズの育成により臨床応用が可能になるものと考えられる。
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