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2012 Fiscal Year Research-status Report

閉経後の椎間板変性機序解明に関する研究

Research Project

Project/Area Number 24791562
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

細金 直文  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (10365306)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2016-03-31
Keywords椎間板
Research Abstract

平成24年度は卵巣摘出手術による閉経モデル動物の作出とその椎間板での変化を検討することを目指して研究を行った。具体的には8-10週齢のWisterラットを使用し両側卵巣摘出術、および偽手術施行後8週でサンプル採取を行った。腰椎ー尾椎からRNAを抽出し、一部椎体と椎間板をそのまま摘出し10%中性緩衝ホルマリン固定を行い5%蟻酸で脱灰し組織切片を作成した。
まずは卵巣摘出手術がきちんと施行できているか確認するため子宮重量を測定し、また閉経後骨粗鬆症モデル動物となっているか確認するため大腿骨を採取しDexa法で骨密度を測定した。その結果、卵巣摘出ラットでは有意に子宮重量の減少がみられた。大腿骨の骨密度はtotalで見ると両群で有意差は見られないが20点に細分化して評価した結果、近位部、遠位部で有意な骨密度の低下がみられたことから本モデルの作出に成功していることを確認した。また脱灰切片の組織評価は事前に染色方法を予備実験で確認し、変性の評価にはAlcian blue染色よりもToluidine blue染色が適していると判断しHE染色とToluidine blue染色で評価した。その結果、卵巣摘出群では椎間板の軟骨終板に変性様の所見を認めた。さらに椎間板組織を線維輪と髄核にわけて採取しTrizolおよびRNeasyを用いてRNAを抽出しrealtime PCR法でコラーゲン等の発現の検討を行った。その結果、卵巣摘出群でわずかにII型コラーゲンの発現量の低下がみられたものの有意な変化には至らない結果であった。組織学的には変化が生じているのでRNA発現に有意差がみられないのは、その変化があまり強くないことが理由と考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究はラットで閉経モデルを作出しその椎間板での変性性変化およびそのメカニズムを解明するのが目的であるが、平成24年度の結果からはきちんと閉経モデル動物はできているにも関わらず、椎間板の変性所見がやや弱いという結果であった。今後、17βestradiolやSERMでのrescue実験等、解析を進めていく上でもう少し椎間板における表現型が強く出るようなモデル動物にする必要性があると考えている。
今回の実験で表現型が弱かった原因の一つとして、使用したラットが8-10週齢と比較的若齢であったからである可能性が考えられる。ヒトにおいても閉経、椎間板変性も中高年者に起こることを考えると、若齢ラットではエストロゲン欠乏だけでは椎間板変性を起こすには不十分である可能性が考えられる。今後、表現型を強くする実験系を検討する必要がある。
ただ、卵巣摘出術は目的通りできており、細胞成分が微量でRNA採取が困難な椎間板から髄核、線維輪にわけてサンプル採取ができており、realtime PCRでの定量評価などの手技は確立できた。また組織切片作成法、染色方法等も確認できたことなど、基本的な目的は達成できたと考えている。

Strategy for Future Research Activity

上記のように今回作出した閉経モデル動物では椎間板の表現型が弱い結果であった。このことを改善するにはより高齢ラットを使用することが挙げられるが、通常入手可能なラットは10週齢程度であり、これらを高齢まで飼育してから実験に使用することは現実的ではなく、またどのタイミングで使用するかなど条件設定が難しいと思われる。
また、椎間板変性が生じる原因は加齢のみならずメカニカルストレスも大きく関与することを考えると4つ足動物であるラットは2足歩行のヒトと比較してその椎間板にかかる圧迫力ははるかに少なく、このことも表現型が弱い原因である可能性が考えられる。そこで若齢ラットにより早期に強く椎間板変性を起こす方法として、ラットの尾椎に創外固定器を設置してばねの力を介して圧迫力を加える方法を検討している。この方法はすでに論文等で報告されており、椎間板変性が生じることも示されているので、本研究に取り入れることで研究の推進を図りたいと計画している。
また遺伝子改変による早期老化モデルマウスを入手し椎間板の組織変化を検討する予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

上記の理由で使用予定であったラットの購入やrescue実験に使用予定の薬剤、物品等は翌年度に購入することになったため未使用額が生じた。
次年度はモデルの確立とその解析に必要な消耗品等の購入に使用予定である。
また早期老化モデルマウスの購入、飼育、解析などにも使用予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Serum cartilage metabolites as biomarkers of degenerative lumbar scoliosis.2012

    • Author(s)
      N. Hosogane, K. Watanabe, T. Tsuji, T. Miyamoto, K. Ishii, Y. Niki, M. Nakamura,Y Toyama, K Chiba, M. Matsumoto
    • Journal Title

      J. Orthop. Res

      Volume: 30(8) Pages: 1249-53

    • DOI

      10.1002/jor.22067

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Cartilage biomakers in degenerative lumbar scoliosis.2012

    • Author(s)
      Hosogane N, Iwanami A, Watanabe K, Tsuji T, Miyamoto T, Ishii K, Niki Y, Nakamura M, Toyama Y, Chiba K, Matsumoto M.
    • Organizer
      International Society for the Study of the Lumbar Spine
    • Place of Presentation
      オランダ
    • Year and Date
      20120528-20120601

URL: 

Published: 2014-07-24  

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