2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24791564
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
須佐 美知郎 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90327560)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肉腫 / キナーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで原発性悪性骨・軟部腫瘍において様々な分子の関与が示唆され、既に血管新生を阻害するマルチキナーゼ阻害薬のパゾパ二ブが臨床現場では使用可能となった。また50種以上にも細分化されている肉腫の治療において発現分子による治療法のカスタム化が他の癌腫に遅れて報告されるようになってきている。Met, ERBB family, PDGFR, AKT, Notch, Src, IGF等約30のキナーゼの関与が報告され、臨床試験が開始されたものも少なくないが、現在のところ、未だ既存の治療と比較して、有意に勝るものの報告はない。これは未知の分子や分子同士のcrosstalk等の存在が、十分な治療効果をあげられない一因としてあげられる。したがって複数のキナーゼ阻害剤の投与、段階的投与などによる治療成績の向上は可能であるものと考えられ、今後も新たな分子の発見が待たれる状況である。 本研究を遂行するには各肉腫が希少な疾患であることから、細胞株の樹立・入手が不可欠であり、これまでundifferentiated pleomorphic sarcoma(UPS88)とmyxoid chondrosarcoma(#142)の樹立に成功し各種学会にて発表した。また骨肉腫、ユーイング肉腫の細胞株を入手し、骨肉腫細胞株のシスプラチン耐性モデルを作成、現在も他剤の薬剤耐性モデルを作成中である。いずれの腫瘍細胞もヌードマウスへの移植が可能であり,数週間で肉眼的にも確認できる腫瘍塊を形成することが観察された。Lentiviral人キナーゼshRNA libraryを用いて、数種類の細胞株のスクリーニングをおこなった結果、PDL1、STAT3等、有望な分子が同定されたため、切除検体にて作成したtissue microarrayを用いてキナーゼの発現の度合いを解析した。生存率等の臨床データと蛋白の発現率を検討したところ、発現率との相関がSTAT3においては確認された。
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