• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

小胞体ストレス応答経路を介した破骨細胞分化制御機構の解明

Research Project

Project/Area Number 24791566
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

東門田 誠一  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40415237)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords骨軟骨代謝
Research Abstract

初年度の本年は、以下の成果を得ることができた。
1)野生型およびIRE1αを欠損したマウス胎児繊維芽細胞にBMP2を添加し,マイクロアレイにて遺伝子発現の網羅的解析を行ったところ,IRE1α欠損細胞では野生型に比較して副甲状腺ホルモン受容体(PTHR)の発現が有意に減少していることが明らかとなった。2)Ire1αおよびXbp1の発現をsiRNAにて抑制した初代培養骨芽細胞でも同様に,PTHRの発現が著しく低下することが観察された。3)BMP2刺激をおこなったIRE1α欠損細胞にOsterixの発現を強制的に回復させても、PTHRの発現は回復せず、XBP1によるOsterixの誘導経路を介さない独立したPTHRの発現制御経路の存在が強く示唆された。4)PTHRのプロモーター塩基配列を解析したところ,骨芽細胞において優位に機能すると考えられているプロモーター領域内に,XBP1結合配列が確認された。そこで初代培養骨芽細胞を用いたクロマチン免疫沈降実験を行ったところ,XBP1はこのプロモーター領域に直接結合することが確認された。5)PTHRプロモーターを用いたレポーターアッセイの結果から,活性型XBP1はPTHRプロモーターの転写活性を著明に亢進し、一方で、XBP1結合領域を欠失した変異プロモーターでは転写活性が有意に低下することが明らかになった。6)PTH存在下でsiXbp1を導入した骨芽細胞を用いて骨髄マクロファージと共存培養すると、破骨細胞の形成数が、コントロール群より有意に低下した。
以上の結果からXBP1は副甲状腺ホルモン受容体のプロモーターに直接結合し,その転写を正に制御し、間接的に破骨細胞の分化を調節していることがあきらかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまで破骨細胞分化における小胞体ストレス応答の機能については報告がなく、本年度行われた研究成果が、最初の報告になった。本年度の研究では、骨芽細胞における小胞体ストレス応答機構IRE1α-XBP1経路が、副甲状腺ホルモン受容体の発現を制御していることを明らかにしたのであるが、このことは、IRE1α-XBP1経路が、副甲状腺ホルモンを介した破骨細胞分化に関与していることを示している。本年度の研究に関しては、破骨細胞分化における小胞体ストレス応答機構の役割の一端を解明したと評価できるが、一方で、未だ破骨細胞内での小胞体ストレス応答経路の機能については研究の余地があり、次年度以降、当初の研究計画に基づいて明らかにしていく必要がある。

Strategy for Future Research Activity

本年度はIn vivoにおけるIRE1α-XBP1経路の役割とその重要性を知るために、破骨細胞特異的にIRE1遺伝子を欠損させたマウスの解析を行う。既に以下に述べる2系統の遺伝子欠損マウスが作出されており、それらのマウスの解析を行っている。1)Mx1-Creマウス:pI-pCの投与により、Creの発現を誘導することが可能である。このマウスを用いることにより、破骨細胞分化の初期段階で、IRE1α遺伝子を欠損させることができ、初期から中期にかけての機能が解析できる。2) Ctsk-Creマウス:破骨細胞分化の中期から後期にかけてCreが発現するマウスである。
これら2系統のマウスを用いて、骨の表現型の解析及び、破骨細胞分化時の機能解析を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度の研究費の主体は遺伝子改変マウスの維持と、骨の表現型解析である。また、国内学会及び、国際学会への参加を予定している。平成24年度の未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果であり、翌年度の消耗品購入に充てる予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] The IRE1α-XBP1 pathway positively regulates parathyroid hormone (PTH)/PTH-related peptide receptor expression and is involved in pth-induced osteoclastogenesis2013

    • Author(s)
      Tohmonda T, Yoda M, Mizuochi H, Morioka H, Matsumoto M, Urano F, Toyama Y, Horiuchi K
    • Journal Title

      Journal of Biological Chemistry

      Volume: 288 Pages: 1691-5

    • DOI

      10.1074/jbc.C112.424606

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] The IRE1α-XBP1 pathway positively regulates parathyroid hormone (PTH)/PTH-related peptide receptor expression and is involved in pth-induced osteoclastogenesis2012

    • Author(s)
      Takahide Tohmonda, Yoshiaki Toyama,Keisuke Horiuchi
    • Organizer
      第35回日本分子生物学会年会
    • Place of Presentation
      福岡・福岡国際会議場
    • Year and Date
      20121211-20121214
  • [Presentation] IRE1α-XBP1経路は、骨芽細胞におけるPTH/PTHrPレセプターの発現を直接制御する2012

    • Author(s)
      東門田誠一、戸山芳昭、堀内圭輔
    • Organizer
      第30回日本骨代謝学会学術集会
    • Place of Presentation
      東京・京王プラザホテル
    • Year and Date
      20120719-20120721
  • [Presentation] 骨芽細胞分化における小胞体ストレス応答機構IRE1α-XBP1経路の機能解析2012

    • Author(s)
      堀内圭輔、東門田誠一、戸山芳昭
    • Organizer
      第30回日本骨代謝学会学術集会
    • Place of Presentation
      東京・京王プラザホテル
    • Year and Date
      20120719-20120721
    • Invited

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi