2013 Fiscal Year Research-status Report
小胞体ストレス応答経路を介した破骨細胞分化制御機構の解明
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24791566
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
東門田 誠一 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (40415237)
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Keywords | 小胞体ストレス / 骨代謝 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
本研究の目的は,IRE1α-XBP1経路の破骨細胞分化における機能解明である.本年度に行われた研究において、以下の諸点について成果が得られている。 1)骨髄細胞においてIRE1αを不活化するため,Ire1αflox/flox マウスをMx1-Creマウスと交配し、IRE1αコンディショナルノックアウトマウス(cKO)を作出した.2)生後10日目にpI-pCを注射し,9週で骨組織の観察を行ったところ、Ire1αcKOでは,野生型コントロールと比べて,海綿骨表面の破骨細胞数の減少とともに,骨量の増加が観察された.3)Ire1αcKO由来の骨髄細胞を用いて,RANKL刺激下における破骨細胞分化関連遺伝子の発現を検討したところ,Nfatc1の発現が特異的にに低下していることが確認された.4)この知見をもとに,生化学的な解析を行ったところ,XBP1がNfatc1のプロモーターに結合し,Nfatc1の転写因子として機能することを見出した.5)IP3受容体欠損マウス由来細胞の解析から,破骨細胞分化過程で生じる小胞体からのカルシウム放出によって小胞体ストレス応答が惹起されることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IRE1α-XBP1経路が関与する破骨細胞分化制御機構については、当初の計画に従い明らかになりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
現状の研究計画が妥当と思われるため、研究計画に従い研究を遂行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果である。これらの未使用額は翌年度の研究費と合わせて、主に消耗品に使用する計画である。 本年度使用する研究費は主に消耗品として遺伝子の発現解析に用いる酵素試薬や、またタンパク質の発現を調べるための抗体の購入、また実験動物の維持費などに充てる予定である。旅費は、本研究成果の発表を行うための国内及び海外の学会の参加に充てる計画である。
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