2014 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体ストレス応答経路を介した破骨細胞分化制御機構の解明
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24791566
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
東門田 誠一 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (40415237)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 小胞体ストレス / 破骨細胞 / 骨代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は破骨細胞におけるIRE1α-XBP1経路の新規機能の探索を行った。以下の成果を得ている。1)骨髄の細胞にてIRE1α分子を欠損させたマウスを用いて、骨組織の観察を行ったところ、野生型のコントロールと比べて、海綿骨表面の破骨細胞数が減少するとともに、骨量が増加していた。2)上述のマウスの細胞を用いて、RANKL刺激下における破骨細胞分化関連遺伝子の発現を検討してみると、Nfatc1の発現が特異的に低下していることが確認された。3)野生型の骨髄細胞を用いたクロマチン免疫沈降実験と、Nfatc1プロモーターを用いたin vitro転写解析から、XBP1がNfatc1のプロモーターに結合し、発現を正に制御していることが示された。4)破骨細胞分化誘導時の小胞体内カルシウム濃度変化の起点となることが知られているIP3 type2,3受容体のダブル欠損マウスの骨髄細胞を調べてみると、破骨細胞分化過程で、IRE1α-XBP1経路の活性が抑制されていることが確認された。 以上の結果から、IRE1α-XBP1経路が小胞体カルシウムの濃度変化に依存して、Nfatc1の発現を活性化し、破骨細胞分化を促進することが示された。 なお研究期間全体を通じて、研究代表者が達成した研究成果の大要は以下の通りである。 破骨細胞分化における小胞体ストレス応答経路の機能について、研究代表者は1)IRE1α-XBP1経路が、骨芽細胞上の副甲状腺ホルモン受容体の発現を制御することにより、内分泌経路を介した破骨細胞分化の調節に関与していることを示した。2)IRE1α-XBP1経路がNfatc1の発現を活性化し、破骨細胞分化を促進することを示した。 研究代表者は研究期間全体を通じて設定した研究目標を大幅に達成することができた。
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