2013 Fiscal Year Research-status Report
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24791568
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
斎田 良知 順天堂大学, 医学部, 助教 (00534885)
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Keywords | 酸化ストレス / 加齢 / 骨代謝 |
Research Abstract |
加齢と共に生体内に蓄積する酸化ストレスは、種々の臓器に退行性変化をもたらすが、骨組織に及ぼす影響は不明な点が多い。さらに細胞質内、ミトコンドリア内でそれぞれ酸素代謝、活性酸素制御システムが存在し、臓器によってそれぞれの役割、依存度が異なる。 ミトコンドリア内酸化ストレスと骨代謝制御との関係は不明であったため、ミトコンドリアでの活性酸素処理を担うMn-SODを骨組織特異的に欠損させたマウスを作成し解析を行っている。 骨組織特異的Mn-SOD2欠損マウスをの骨形態計測を行ったところ、骨細胞での特異的Mn-SODの欠損は、骨量の低下と骨脆弱性を来たし、骨粗鬆症を発症する事が確認できた。また、このマウスでは骨形成の低下と骨吸収の亢進を認めた。さらに詳細な解析を現在行っている。この成果をH25年国際骨代謝学会・アメリカ骨代謝学会・日本骨代謝学会・日本整形外科学会などにおいて発表した。発表者した共同研究者は、アメリカ骨代謝学会にてYoung Investigator Awardを受賞し表彰された。現在論文投稿中である。 また、廃用性骨萎縮の動物実験モデルを用いた解析から、廃用により骨での酸化ストレスが増加し骨量減少をもたらすことを明らかにし、さらに、抗酸化剤の投与がこの廃用性骨萎縮を予防することを明らかにした。この成果は、昨年Journal of Bone and Mineral Researchに掲載された(Cytoplasmic reactive oxygen species and SOD1 regulate bone mass during mechanical unloading. Morikawa D, Nojiri H, Saita Y, Kobayashi K, Watanabe K, Ozawa Y, Koike M, Asou Y, Takaku T, Kaneko K, Shimizu T.J Bone Miner Res. 2013 Nov;28(11):2368-80.) 今後も継続して骨組織の酸化ストレスによる骨量制御機構を解明し、加齢に伴う骨量減少の予防・治療に貢献したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで明らかにされていなかった、細胞質(SOD1)およびミトコンドリア(SOD2)に存在する活性酸素の処理機構が破たんすることで、骨粗鬆症様の病態を呈することを、動物レベルで世界で初めて明らかにした。内容を学会などでも報告し情報を発信できている。 また、廃用症候群モデルでは細胞質での酸化ストレスの増加が骨量減少を助長することを明らかにし、成果を論文にし報告することができた(Cytoplasmic reactive oxygen species and SOD1 regulate bone mass during mechanical unloading. Morikawa D, Nojiri H, Saita Y, Kobayashi K, Watanabe K, Ozawa Y, Koike M, Asou Y, Takaku T, Kaneko K, Shimizu T.J Bone Miner Res. 2013 Nov;28(11):2368-80.)。
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Strategy for Future Research Activity |
骨組織特異的Mn-SOD2欠損マウスでみられる骨量減少のメカニズムを追求し、論文化する。 Mn-SOD欠損により骨細胞で酸化ストレスが上昇しているかを遺伝子改変マウスを用いて証明する。 さらに、上述の骨細胞特異的Mn-SOD2欠損マウスに加えて、より分化段階が幼弱な骨芽細胞でのMn-SOD2発現を欠損させた骨芽細胞特異的Mn-SOD2欠損マウスを作成し、このマウスにおいても同様に骨形態計測を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた国際学会への参加をしなかったため。 前年度に引き続き、動物実験のための交配・飼育に要する費用、実験試薬、学会参加などに使用。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Cytoplasmic reactive oxygen species and SOD1 regulate bone mass during mechanical unloading.2013
Author(s)
Morikawa D, Nojiri H, Saita Y, Kobayashi K, Watanabe K, Ozawa Y, Koike M, Asou Y, Takaku T, Kaneko K, Shimizu T.
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Journal Title
J Bone Miner Res.
Volume: 28(11)
Pages: 2368-80
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Osteocyte Specific Deletion of Superoxide Dismutase2 Induces Osteocyte Loss Resulting in Bone Loss Associated with Impairment of Bone Remodeling2013
Author(s)
Keiji Kobayashi, Hidetoshi Nojiri, Yoshitomo Saita, Daichi Morikawa, Masato Koike, Yusuke Ozawa, Yoshinori Asou, Kazuo Kaneko, Takahiko Shimizu,
Organizer
2013 ASBMR Annual Meeting Abstracts
Place of Presentation
Baltimore, USA
Year and Date
20131004-20131007
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