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2012 Fiscal Year Research-status Report

廃用性骨委縮における細胞質酸化ストレスの役割の解明

Research Project

Project/Area Number 24791569
Research InstitutionJuntendo University

Principal Investigator

野尻 英俊  順天堂大学, 医学部, 助教 (10317456)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords廃用性骨萎縮 / 酸化ストレス / Sod1
Research Abstract

廃用性骨萎縮は疾病または外傷により、機械的ストレスが減少することで引き起こされるがこのメカニズムは未だに解決されず、治療戦略も確立していないのが現状である。酸化ストレスは様々な病態に影響を及ぼすことが知られているが廃用性骨萎縮に対する関与は全く知られていない。我々は廃用性骨萎縮に対する酸化ストレスの影響を解析するために機械的ストレスの減少状態を導く尾部懸垂病態モデルの実験を行った。まずは野生型マウスの尾部懸垂を2週間行い、懸垂中の後肢を採取し骨中の活性酸素種(酸化ストレス)を測定したところ有意な上昇を認めた。またその骨においてDNAや蛋白質の酸化修飾マーカーも上昇が確認された。さらに骨内の内在性抗酸化酵素群の動向を調べてみると遺伝子発現、蛋白質レベルともに細胞質内の主要な抗酸化酵素であるスーパーオキサイドディスムターゼ1 (Sod1)の特異的な上昇が認められた。そこでSod1を欠損させたマウス(Sod1KO)にて尾部懸垂を行ったところ著明な骨量減少の増悪が認められた。以上のことからSod1は廃用性骨萎縮における防御因子の一つであることが示唆された。さらに懸垂後のSod1KOマウスの骨代謝を解析すると野生型マウスに比べて骨形成能の有意な増悪が認められたが、破骨細胞の活性や機能には影響せず骨吸収能の増悪はなかった。
これまでの結果から廃用時の骨では酸化ストレスが惹起され骨形成能の低下から骨量が減少すること、そして内在性の抗酸化酵素Sod1がその調節因子として関与していることが明確になった。現在、この尾部懸垂モデルを用いて薬剤、栄養剤等のレスキュー実験を行っている。更なる研究により活動性の低下した高齢者、または外傷・疾病罹患者の骨委縮の発症機序を酸化ストレスという側面から攻略し、新たな予防または治療介入の確立に有益な情報を示していきたいと考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

交付申請書の平成24年度欄で計画した実験が遂行できた。

Strategy for Future Research Activity

酸化ストレスの病態への関与はまだまだ未知なことが多く、今後は骨内の発生細胞の同定や発生機序の解明にアドレスしていきたい。さらに将来的な臨床応用も念頭に置きながら本実験モデルまたは遺伝子欠損マウスを用いた薬剤、栄養剤などのレスキュー実験を行いたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

その大半は試薬、物品での使用予定である。海外学術研究会での発表に伴う渡航費用に100,000円、論文作成準備費とその他の雑費などに100,000円を予定している。

URL: 

Published: 2014-07-24  

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