2014 Fiscal Year Annual Research Report
骨・靭帯付着部における超微形態・機能解剖学的構造とその破綻後の解明
Project/Area Number |
24791573
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
金澤 知之進 久留米大学, 医学部, 講師 (50529518)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | FIB/SEM tomography / 腱骨付着部 / 3次元構造解析 / 硬組織 / 腱板損傷 / 腱骨間治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(平成26年度)は、当初の研究実施に沿い、出生後ラットを用いて、出生後腱骨付着部が形成されるまでの形態変化を中心に検討した。 まず、SDラットを用いて出生後1、2、3、4週に屠殺、肩関節にある棘上筋腱を摘出し、検体として用いた。棘上筋腱発達過程の具体的な評価項目としては、従来の染色法としてのHE染色、腱/靭帯、軟骨形成に重要な関わりを持つSOX-9、Screlaxi (SCX)発現動態を評価するための2重蛍光免疫染色、超微形態の評価として、次世代走査型電子顕微鏡(FIB/SEM tomography)を用いた、付着部に存在する細胞の3次元超微形態構造解析を行った。 結果、HE染色では依然として細胞形態の変化を正確に捉えることは出来なかった。SOX9とSCXの発現では、出生後付着部に存在する細胞群はSOX9、SCX共にその発現を認めていたが、週数を経るにしたがいその発現は減弱していた。FIB/SEM tomographyを用いた細胞形態では、軟骨様の細胞が、突起を無秩序に伸ばしているのが観察され、週数を経ていくに従って突起の数は減少していたが、長さ自体は長くなり、一定の方向性を持ってコラーゲン線維束間にその突起を伸ばしている細胞が多く見られた。 今回の結果から、正常腱骨付着部の構築には、SOX9、SCXを発現し、無秩序な方向性を持つ細胞突起を有した軟骨細胞様の細胞群が付着部領域に存在していることが、重要な役割を担っていると考えられる。今後も様々なアプローチから付着部形成過程の評価/再評価を行っていく必要がある。 本結果は、2014年日本整形外科基礎学術集会、日本臨床分子形態学会、日本肩関節学会、2015年3月日本解剖・生理合同学会、Orhopaedic Research Societyにて発表、報告し、現在論文投稿中である。
|
Research Products
(7 results)