2014 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄マイクログリアにおいて術後痛の程度を反映する分子生物学的マーカーの同定
Project/Area Number |
24791578
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
三枝 里江 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (10400772)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 術後痛 / 脊髄マイクログリア |
Outline of Annual Research Achievements |
術後痛の抑制は医療にとって重要な課題のひとつである。脊髄後角のマイクログリアの活性化は、術後痛に強く関与している可能性があるものの、術後痛を反映する特異的な脊髄マイクログリアのマーカーは判明していない。マイクログリアの活性化を反映する分子生物学的マーカーは複数存在するため、その中より動物モデルを用いて、術後痛の強さを正確に反映する脊髄マイクログリアの特異的マーカーを同定することを目標に実験を行った。 初年度より継続していた、ラット術後痛モデルでの逃避閾値の変化と、脊髄マイクログリアの活性化を反映するマーカー(OX42・Iba-1・p38)を用いた脊髄マイクログリアの発現量変化の関連を検討した。また、徐放化局所麻酔薬を使用した神経ブロックによって、疼痛を軽減した術後痛モデルラットを用いて、逃避閾値と脊髄マイクログリアマーカー発現量の関連を調べ、術後痛を反映したマーカーとしての有用性について検討している。しかし、免疫染色に想定した以上の時間がかかり、当初の予定の8割程度までしか研究が終了しておらず、研究のまとめや発表までは至っていない。 術後痛モデルの痛覚過敏をより反映するマーカーを同定できれば、術後痛の基礎的研究に大きく貢献できる可能性があるため、この実験は術後痛を抑制するために大変重要と思われる。そのため、今後も研究を継続し、広くその成果を発表できるよう取り組んでゆきたいと考えている。
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