2012 Fiscal Year Annual Research Report
β受容体遮断薬の脊髄運動神経保護作用に関する機序の解明
Project/Area Number |
24791584
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
西塔 志乃 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (60624971)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 脊髄虚血再灌流 / β遮断薬 / 神経保護 / 長期予後 / 機序 |
Research Abstract |
脳虚血‐再灌流モデルで神経保護効果が報告されている短時間作用型β遮断薬(エスモロール、ランジオロール)について、ラット脊髄虚血-再灌流モデルを使用し、7日後における脊髄保護効果を検討した。 雄性Sprague-Dawleyラット13匹(394±27 g)を無作為に3群に分け、実験を施行した。コントロール群(生食: n=4)、E群(エスモロール: n=5)、L群(ランジオロール: n=4)においてデータを収集した。1-1.5%イソフルラン、亜酸化窒素、酸素で麻酔を維持する。体温は直腸温と傍脊柱筋温をモニターし、37.3±0.3℃となるよう調節した。それぞれの薬物は虚血30分前から虚血72時間後まで投与した。Fogartyカテーテルのバルーンを膨らませ、同時に脱血することで末梢側動脈圧を10 mmHg、中枢側動脈圧を40 mmHg にした。14分間の虚血の後バルーンを虚脱させ、脱血した血液を返血した。虚血1,3,7日後の下肢の運動、反射機能をMDIスコアとして評価した。組織病理学的評価のため深麻酔下にL4切片を採取してHE染色を行った。灰白質の前角正常細胞数と白質の前・前側索の空胞の割合を観察した。 1日目、3日目のMDIスコアはコントロール群と比較し差は無かったが、7日目においてE群がコントロール群に比して有意に良好(p=0.03)であった。L群はコントロール群と比し有意な差は得られなかった。7日後のL4切片のHE染色標本では、コントロール群と比較しE群で前角細胞数が有意に多かった(p=0.04)が、L群では差は得られなかった。 今回は中途段階での報告であり、標本数が十分ではない。また機序に関する検討も今後研究の継続が必要である。
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