2012 Fiscal Year Research-status Report
敗血症性急性肺傷害に対するHDAC阻害剤の効果に関する研究
Project/Area Number |
24791586
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
青木 優太 富山大学, 大学病院, 助教 (10621667)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 敗血症 / ヒストン脱アセチル化酵素 / 急性肺傷害 |
Research Abstract |
エピジェネティックスとはDNA塩基配列の違いによらない遺伝子発現の多様性を生み出す機構であり、その一つにヒストンのアセチル化がある。敗血症に起因する炎症とヒストン脱アセチル化酵素の役割を明らかにすることを目的とし、新規HDAC阻害剤CG200745の敗血症に対する有用性について検討した。 雄性BALB/cマウスに盲腸結紮穿孔(CLP)を施し敗血症マウスを作成、CG200745投与群はCLP施行の3時間前に10 mg/kgを腹腔内投与した。敗血症マウスにおけるHDACレベル、組織学的変化、炎症性サイトカイン・ケモカインの発現ついて検討しCG200745投与群と比較した。 HDAC1, 2, 3は敗血症マウスで有意に減少し、アセチル化ヒストンH3, H4は有意に増加した。敗血症マウスで肺および脾臓組織は炎症病理像を呈し、投薬群でも同等であった。敗血症マウス肺組織中のTNFαとIL-1β、MCP-1のmRNAも著明に上昇して投薬・非投薬群間で差がなく、血清中でも同様であった。 以上より、敗血症においてエピジェネティックな制御を受ける遺伝子が存在し、CG200745は敗血症において炎症には影響を与えないという結果が得られた。 今後はアポトーシスが臓器不全の発症、死亡率の増加に大きくかかわるという観点から、HDAC投薬群におけるアポトーシス抑制について検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
敗血症マウスにおいて、炎症性サイトカイン・ケモカインの発現が投薬・非投薬群間で差がなく、予想された結果と異なったことから、今後の方向性についてじっくり検討する必要があり時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はアポトーシスが臓器不全の発症、死亡率の増加に大きくかかわるという観点から、HDAC阻害剤投与群における肺と脾臓組織でのアポトーシスに関して検討する。敗血症マウスで投薬・非投薬群間におけるTUNEL陽性細胞の変化、アポトーシス関連分子であるcleaved caspase 3、cleaved PARP、アポトーシス阻害因子であるBcl-2、Bcl-xLの変化について検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
<本年度の研究費に繰越金が生じた理由> 実験試薬、動物の費用は十分に使用したが、当初予定していた実験装置の購入を控えたため。 <次年度の研究費の使用計画> 本年度の消耗品費をふまえて次年度はあらたな実験装置の購入などを予定する。 平成25年度の研究費限度額は、計1142千円(平成25年度分 700千円+繰り越し分 442千円)となる。 したがって、消耗品費で900千円(実験用動物 200千円、実験試薬 400千円、実験器具 200千円、情報処理機器 100千円)、旅費で240千円(資料収集旅費 200千円、研究打ち合わせ旅費 40千円)、すなわち計 1140千円使用する予定である。
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Research Products
(4 results)