2013 Fiscal Year Annual Research Report
臓器移植後急性腎障害の早期発見および早期回復ー新しい指標を用いての検討ー
Project/Area Number |
24791592
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井口 直也 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (00372623)
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Keywords | 急性腎障害 / 臓器移植 |
Research Abstract |
臓器移植後の急性腎障害の早期発見 1. NGAL(血液、尿)およびL-FABP(尿) 集中治療部入室時のNGAL、L-FABP値は急性腎障害発症群と非発症群で有意差を認めなかった。血液浄化法導入群と非導入群でもNGAL、L-FABP値に有意差を認めなかった。臓器移植後の急性腎障害の早期発見にはNGAL、L-FABPは役立たないことが示唆された。前年度の段階では急性腎障害や血液浄化法導入の予測因子とはならないが、腎機能の経過を反映する可能性があった。本年度、より詳細に検討を行ったところ、入室6日目までのNGAL、L-FABP値は急性腎障害回復群と非回復群で有意差を認めなかった。腎機能の経過も反映しないことが示唆された。臓器移植後は腎障害を起こす因子が多因子あり、腎障害のタイミングも1点ではないことが原因と考えられた。 2. 腎臓超音波検査 パルスドップラー法でresistive index(RI)を算出し検討を行った。RIは体血圧の影響を受けることが報告されており、急性腎障害の予測にあたり、まずRIと体血圧との同時測定を行い体血圧のRIへの影響を調べた。RIと体血圧には有意な相関関係を認めず、RIで急性腎障害が予測できる可能性が示唆された。RI値にばらつきを認め、他の交絡因子が作用している可能性も考えられた。RI値のばらつきや交絡因子の多さのため、「研究が当初の計画通りに進まないときの対応」を始めた。カラードップラーモードでの腎門部を除く、腎縦断面における血流面積/腎臓面積をソフトウエアを用いて検討を行った。視覚的な半定量での腎内の灌流状態の分類を数値化できるため急性腎障害予測に役立つ可能性がある。 急性腎障害の予測が難しい原因として、急性腎障害の診断がクレアチニンによることがあげられる。我々は体液バランスでクレアチニンを補正することにより急性腎障害の診断精度が向上することを報告した。
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Research Products
(2 results)