2013 Fiscal Year Research-status Report
心筋薬理学的コンディショニング修飾因子の解明:pH補正の影響と分子機序
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24791601
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松本 周平 長崎大学, 大学病院, 助教 (20580327)
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Keywords | 心筋プレコンディションニング / 心筋虚血再灌流障害 |
Research Abstract |
心筋に対する各種保護刺激によるプレコンディショニング/ポストコンディショニング現象について、引き続きその阻害因子を中心として検討を続けている。 プレコンディショニングあるいはポストコンディショニングが、基礎実験とは対照的に臨床における検討では効果が実証されにくい傾向がある。その理由として、実際に臨床現場で治療対象となっている患者およびその臓器がおかれている、非常に複雑な内的・外的環境の影響が関与していると考えられるが、その中でもプレコンディショニング/ポストコンディショニングによる保護作用を打ち消す可能性がある阻害因子の検索と阻害機序解明に関する研究を行い、有益な臓器保護作用が臨床上できるだけ最大限に発揮されうることを目的として研究を続けている。 これまでに私たちの研究グループで検討したプレコンディショニング/ポストコンディショニングの阻害因子としては、患者側の内的因子としては糖尿病(Matsumoto S.et al Cardiovasc Drugs Ther. 2009 23(4):263-70.)あるいは高血糖(Matsumoto S.et al Cardiovasc Diabetol. 2012 12;11:4.)状態がある。現在は外的な阻害因子として、周術期や集中治療において麻酔・鎮静目的に投与される各種麻酔薬が保護刺激に与える影響について検討を重ねており、国内外で随時発表を行っている(アメリカ麻酔学会・ワシントン・2012年、日本静脈麻酔学会・米子・2013年)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在は各種麻酔薬が心筋プレコンディショニングに与える作用について、ラット心筋虚血再灌流障害モデルを用いて検討しており、判明した結果については逐次学会発表を行っている。今後はさらに各種データを集計・解析の上、論文作成を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
特定臓器の一過性虚血によるプレコンディショニングに対して、各種麻酔薬の同時投与がもたらす影響について阻害メカニズムの解明も含めて引き続き検討を行っていく。得られた結果を集計し、考察の上新たに学会発表あるいは論文作成を検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度は実験遂行に必要な主要物品は前年度支給分によって主に賄うことが可能であった。 今後、施設内で従来使用していた機器類の老朽化に伴い購入を予定している。あるいは実験動物・試薬をはじめとした消耗品、また論文作成・学会発表に必要な諸費用を賄う予定である。
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Research Products
(1 results)