2012 Fiscal Year Research-status Report
神経障害性疼痛モデル動物におけるシナプス可塑性の解析
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24791610
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
宮崎 智之 横浜市立大学, 医学部, 助教 (30580724)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 疼痛 / 神経可塑性 |
Research Abstract |
本研究では神経障害性疼痛モデル(SNL)を作成し、障害に伴いシナプス活動が上昇する部位や細胞種(興奮性細胞、抑制性細胞)を組織学的、また電気生理学的に評価することを目的として行ってきた。神経障害性疼痛モデルでは、侵害刺激の入力を受け、脊髄の神経細胞に可塑的な変化が生じ、それらは経時的に変化している。従って組織、電気生理学的評価を包括的に行うため、それらの経時的変化を追うことを目的としている。初年度は脊髄神経結紮モデルを作成し、von frey装置を用いて疼痛の評価を行っているが、個体間のばらつきも減少し、モデル作成は順調に進んでいると考えている。そのモデル動物を使用し、経時的にpCREBの染色を行っているが、脊髄神経結紮後より1週間かけてpCREBの発現が障害側では低下するが、その後発現は再上昇する。これは正常化した結果か、それとも元々発現していたものとは異なる細胞種での変化か、それを同定する必要がある。従ってpCREB発現細胞の種類を同定すべく、Camk2(興奮性神経細胞)とGAD65(抑制性神経細胞)の抗体を用いて共染を行っている。当初GAD65で染色を行っていたが、あまり染色性が良好でないためGABA、parvalbmin、cholesistkininなどほかの抗体も使用して包括的に検討を行っている。大半の動物での切片作成が終了したため、時系列と細胞種の評価を現在行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脊髄神経結紮モデルを作成し、モデル作成はうまくいった。長期的に観察しても疼痛評価に個体間のばらつきは少なくなってきた。 そのモデル動物を使用し、経時的にpCREBの染色を行っており、GABA、parvalbmin、cholesistkininなどほかの抗体との共染を行っている。こちらも問題なく染色はできているが、染色枚数が多いためカウントに時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
時系列を決定し終えれば、電気生理学的検証に入る。biocytinを入れたパッチ内液を使用し、blind patchにてAMPA電流を計測する。記録後切片を染色し、記録した細胞種の同定を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
スライサーを購入予定であったが、実験動物や試薬に予想以上の支出があったことと、所属教室のスライサーを優先的に使用できたため購入を見送った。 本年度は脳定位固定装置を購入予定。消耗品としては前年度同様にマウスの購入、電気生理の試薬などを購入予定。
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Research Products
(4 results)