2013 Fiscal Year Annual Research Report
術中鎮痛法が術後の生活の質に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
24791611
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
朝倉 彩子 横浜市立大学, 医学部, 助教 (50567667)
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Keywords | 術後回復の質 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高侵襲手術である開腹肝臓切除と低侵襲手術である腹腔鏡下付属器切除術において、鎮痛方法を従来の硬膜外麻酔および近年主流となりつつある超短時間作用性麻薬のレミフェンタニルを使用した際、麻酔からの回復の質や手術数ヶ月後の生活の質を含めた術後経過に及ぼす影響を調べ、レミフェンタニルの適正使用の範囲を明らかにすると同時に、手術数ヶ月後の生活の質と関連する周術期バイオマーカーを同定することである。 開腹肝臓切除術は、術中鎮痛を硬膜外麻酔およびレミフェンタニルの二群に分け、手術一ヶ月後の生活の質やPringle法後の肝酵素の上昇の差を評価した。ここ一、二年で、門脈塞栓術後に行う肝切除術や当初から二期的に行う肝切除術、また腹腔鏡下肝臓切除といった術式が増加しているため、対象症例が大幅に減少してしまい、本年度は症例を確保することに難渋し、昨年度と併せて計25症例研究を行った。 腹腔鏡下付属器切除術は対象者の多くが若年女性ということから、臨床研究を断られる症例が多かった。このため昨年度に対象症例を腹腔鏡下腎手術に変更し、諸手続き後研究を開始した。術中鎮痛をレミフェンタニルおよびフェンタニルの二群に分け、術中ストレスホルモンや炎症の指標を測定し、術後翌日の麻酔からの回復の質および一、三ヶ月目の生活の質を30症例で調査した。この研究成果に関してはスウェーデンのストックホルムで開催されるヨーロッパ麻酔学会において2014年6月1日予定である。
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