2014 Fiscal Year Annual Research Report
ラットにおける脳内セロトニン濃度と異常行動の検討―セロトニン症候群予防への試み
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24791618
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高橋 陵太 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00464628)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | セロトニン症候群 / トラマドール / 痙攣 / 脳内モノアミン |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性疼痛の治療に三環系抗うつ薬やSSRIなどセロトニン再取り込み阻害作用を有した薬剤が使用されることが多く、本邦においても弱オピオイド作用とセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有するトラマドールとアセトアミノフェンの合剤が慢性疼痛に使用可能となり三環系抗うつ薬と併用されている。これにより脳内セロトニンが増加するセロトニン症候群の発生率が上昇することが予想される。これらの薬物を投与したラットの視床下部等のセロトニン濃度をマイクロダイアライシス法で測定するとともに異常行動を評価することでセロトニン症候群を誘発する薬物投与量を検証する試みであった。今回我々の実験によりトラマドールの持続静注により視床下部でのセロトニン濃度が上昇し痙攣が誘発されることが判明したが、トラマドール誘発性痙攣がセロトニン症候群の一症状であるかを吟味する必要が出てきた。そこで我々は脳内セロトニンを増加もしくは減少させる薬物(増加させる薬物:ベンセラジド・5ハイドロキシトリプトファン、減少させる薬物:p-クロロフェニルアラニン)を用いたうえで、トラマドールを持続静注することとした。その結果脳内セロトニンが減少していたラットのほうが増加していたラットと比較し有意に痙攣発生までの時間が短縮していた。これによりトラマドール誘発性痙攣とセロトニン症候群は異なる病態であることが明確になった。またトラマドールによる痙攣にμ受容体が慣用するかを吟味するため、ナロキソン投与後にトラマドールを持続静注したが、痙攣発生までの時間に変化はなかった。したがってトラマドール誘発性痙攣にμ受容体が関与していないことが示唆された。
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