2013 Fiscal Year Annual Research Report
全身麻酔薬が脊髄サブスタンスP放出とC-FOS発現に与える影響
Project/Area Number |
24791623
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
高薄 敏史 獨協医科大学, 医学部, 講師 (80348052)
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Keywords | 全身麻酔薬 / サブスタンスP / NK1R internalization / c-Fos |
Research Abstract |
全身麻酔薬の作用機序を明らかにする目的で、1)プロポフォール、2)ペントバルビタール、3)イソフルラン、4)亜酸化窒素、5)イソフルラン+亜酸化窒素、6)フェンタニルの6群について、ホルマリン誘発性脊髄後角サブスタンスP放出に与える影響をNK1 receptor internalization(NK1Ri)を指標に免疫組織学的に評価した。さらに脊髄後角c-Fos発現に対する全身麻酔薬の効果についても同様に免疫組織学的に評価した。 各全身麻酔薬投与下にラット後肢足底に5%ホルマリンを皮下注し、経心臓的灌流固定を行った。取り出した脊髄を後固定し、その後切り出した凍結切片を用いて免疫組織染色を行い、NK1Riおよびc-Fos発現を評価した。1)プロポフォール、2)ペントバルビタール、3)イソフルラン、4)亜酸化窒素はホルマリン誘発性NK1Riを抑制しなかったが、5)イソフルラン+亜酸化窒素および6)フェンタニルは脊髄NK1Riを抑制した。またすべての全身麻酔薬はホルマリン誘発性脊髄後角c-Fos発現を抑制した。 これら全ての全身麻酔薬は脊髄においてシナプス後性抑制効果を示したが、フェンタニル、イソフルラン+亜酸化窒素はサブスタンスPを介したシナプス前性抑制を示すことも明らかになった。イソフルランと亜酸化窒素の併用時にみられる相乗効果は単独使用時とは異なる作用機序によって起こると考えられた。
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