2012 Fiscal Year Research-status Report
神経障害性疼痛下におけるmiRNA変化の網羅的解析
Project/Area Number |
24791627
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
池上 大悟 星薬科大学, 薬学部, 助教 (30619747)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | microRNA / Pain |
Research Abstract |
本研究は、神経障害性疼痛下における疼痛発現、維持の機構の解明を目的として、坐骨神経結紮により神経障害性疼痛モデルマウスを作製し、神経障害性疼痛下の脊髄、側坐核、扁桃体における microRNA (miRNA) の発現プロファイリングおよび発現変化のあったmiRNA の機能の解明を試みている。 本年度は、痛みの発現および維持に深く関与すると考えられている脊髄領域に着目し、神経障害性疼痛モデルマウスの脊髄領域における miRNA の発現変化について網羅的に解析した。中でも、最も大きな発現低下を示した miR-206 に着目し、標的遺伝子の探索を行った。その結果、予測された標的遺伝子は 346 種類であったが、その中に各種成長因子である BDNF、PDGFa、VEGFa ならびにケモカインである CXCL11といった痛みにおいて重要な役割を担う遺伝子を見出した。特に BDNF は、神経障害時における発現誘導により神経ネットワーク形成を修飾することが報告されていることから、神経障害時に脊髄内でその発現が誘導されると、ネットワーク異常をきたし、疼痛閾値の変化が引き起こされると想定される。そこで、BDNF の局在ならびにタンパク質量の変化について 免疫組織学的染色法に従い検討したところ、坐骨神経結紮 1 週間後において非結紮側と比較して、結紮側脊髄後角における BDNF 免疫活性の増強が認められた。さらに、recombinant BDNF の髄腔内投与 3 日後における右後肢への熱刺激に対する逃避潜時を測定した。その結果、BDNF 投与による有意な反応潜時の短縮が認められた。以上の結果は、末梢神経障害によって脊髄内 miR-206 の発現変動を介した BDNF の増加が引き起こされることが示され、こうした変化が神経障害性疼痛の発現に一部関与する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である、神経障害性疼痛下における疼痛発現、維持の機構の解明について、坐骨神経結紮により神経障害性疼痛モデルマウスを作製し、神経障害性疼痛下の脊髄における microRNA の発現プロファイリングおよび発現変化のあったmiRNA の機能の解析が順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、神経障害性疼痛下の側坐核や扁桃体における microRNA の発現プロファイリングおよび発現変化のあったmiRNA を抽出し、レンチウイルスベクターによる強制発現やsiRNA を用いての miRNA の機能の解析を行う。さらに、疼痛患者の血清検体を収集し、microRNA の網羅的解析を行うことで、臨床での疼痛のバイオマーカーとして診断への応用を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
疼痛モデルマウスの側坐核、扁桃体、脊髄後根神経節における miRNA の網羅的解析を行う。同時に、疼痛患者の血清検体を収集し、microRNA の網羅的解析を行う。
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Research Products
(2 results)