2013 Fiscal Year Research-status Report
神経障害性疼痛下におけるmiRNA変化の網羅的解析
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24791627
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
池上 大悟 星薬科大学, 薬学部, 助教 (30619747)
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Keywords | microRNA / Pain |
Research Abstract |
本研究は、神経障害性疼痛下における疼痛発現、維持の機構の解明を目的として、坐骨神経結紮により神経障害性疼痛モデルマウスを作製し、神経障害性疼痛下の脊髄、側坐核、扁桃体における microRNA (miRNA) の発現プロファイリングおよび発現変化のあったmiRNA の機能の解明を試みている。 近年、miRNA がエクソソームのようなナノサイズの小胞顆粒に包埋されることによって、多くの消化酵素からの分解を免れ、血漿、血清などの体液中においても安定に存在することが報告されている。特に、がんをはじめとする疾患の病態や進行度合いなど、ヒトの生理状態によって miRNA の発現量や種類が変化するため、血液を利用した非侵襲的な診断用バイオマーカーとして期待されている。そこで、本研究では、末梢神経障害時における血清よりエクソソームを濃縮し、血中エクソソームのにおける miRNA の発現変化について検討した。その結果、末梢神経障害によって脊髄において最大の発現増加を示した miR-3470b の血中エクソソーム中における増加が認められた。このように、血中エクソソームにおける末梢神経障害と連動して発現変動する miRNA を神経障害性疼痛の診断用バイオマーカーとして評価できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である、神経障害性疼痛下における疼痛発現、維持の機構の解明について、坐骨神経結紮により神経障害性疼痛モデルマウスを作製し、神経障害性疼痛下の脊髄や血中エクソソーム内における microRNA の発現プロファイリングおよび発現変化のあった miRNA の機能の解析が順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、神経障害性疼痛下の脊髄、脊髄後根神経節や血中エクソソームにおける microRNA の発現プロファイリングおよび発現変化のあった miRNA を抽出し、レンチウイルスベクターによる強制発現やsiRNA を用いての miRNA の機能の解析を行う。さらに、疼痛患者の血清検体を収集し、microRNA の網羅的解析を行うことで、臨床での疼痛のバイオマーカーとして診断への応用を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
miRNA アレイ等の外注を行おうとしたが、臨床検体のサンプルの調整に時間がかかったため、翌年度に持ち越した。 本年度にmiRNA アレイ等で使用する予定である。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Epigenetic transcriptional activation of monocyte chemotactic protein 3 contributes to long-lasting neuropathic pain.2013
Author(s)
Imai S, Ikegami D, Yamashita A, Shimizu T, Narita M, Niikura K, Furuya M, Kobayashi Y, Miyashita K, Okutsu D, Kato A, Nakamura A, Araki A, Omi K, Nakamura M, James Okano H, Okano H, Ando T, Takeshima H, Ushijima T, Kuzumaki N, Suzuki T, Narita M.
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Journal Title
Brain
Volume: 136
Pages: 828-843
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Analysis of sleep disorders under pain using an optogenetic tool: possible involvement of the activation of dorsal raphe nucleus-serotonergic neurons.2013
Author(s)
Ito H, Yanase M, Yamashita A, Kitabatake C, Hamada A, Suhara Y, Narita M, Ikegami D, Sakai H, Yamazaki M, Narita M.
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Journal Title
Mol Brain
Volume: 6
Pages: 59-68
DOI
Peer Reviewed
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