2013 Fiscal Year Research-status Report
神経障害性疼痛に対するフリーラジカル消去薬の鎮痛作用および予防効果に関する研究
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24791629
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
中村 元洋 産業医科大学, 医学部, 助教 (30461578)
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Keywords | フリーラジカル消去薬 / 行動薬理学 / 神経障害性疼痛 / 鎮痛薬 |
Research Abstract |
坐骨神経絞扼による神経障害性疼痛モデル(CCI)を作製した。Bennett and Xieの方法により、雄Sprague-Dawley(SD)ラットをペントバルビタール麻酔下に大腿骨上の皮膚を切開し片側の坐骨神経を4.0-silk糸で4箇所緩く結紮すると処置から7日目に患肢に機械的痛覚過 敏、熱的痛覚過敏、冷的痛覚過敏が発現した。薬物を髄腔内に投与するため、Yaksh and Rudyの方法によりラットの大槽から尾側に向かってクモ膜下カテーテル(PE-10)を挿入した。4種類のフリーラジカル消去薬edaravone, PBN, DMPO, Vitamin Eを髄腔内と脳室内に 単回投与し、CCIモデルにおける抗侵害作用を調べるため、①Plantar test (熱的痛覚過敏試験)②Cold plate test (冷的痛覚過敏試験)③electronic von Frey test (機械的痛覚過敏試験)を行った。対照として生理食塩水またはDMSOを用いた。edaravoneの0.5mgと1.5mgの髄腔内投与ではいずれのテストでも対照群との差を認めなかった。今後脳室内投与による抗痛覚過敏作用を調べる。Vitamin Eは1mgと2mgの髄腔内投与で用量依存性に機械的痛覚過敏と冷的痛覚過敏を抑制した。脳室内投与でも同様に鎮痛作用が発現するか更に検討する。一方DMPOの髄腔内投与では2mgで機械的痛覚過敏と冷的痛覚過敏を抑制したが脳室内投与では2mgと4mgともに全てのテストで対照群との差を認めなかった。PBNも同様に髄腔内投与で認めた鎮痛作用は脳室内投与では認められなかった。DMPOやPBNの鎮痛作用には脊髄で侵害受容伝達を調節している受容体への作用が関係していると考えられる。今後各種受容体アンタゴニストを前処置して鎮痛作用に影響を与えるか検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
薬物の髄腔内投与及び脳室内投与を行い多くの結果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画を遂行する上でこれまで環境面と技術面での問題は生じていない。研究計画の変更はない。フリーラジカル消去薬の脳室内投与を行い脳内の作用を検討する。更に、髄腔内投与や脳室内投与で抗痛覚過敏作用を認めた薬物に関して作用機序を解明するため侵害受容伝達に関与してる受容体アンタゴニストで前処置した後薬物を投与し、作用に影響が出るか調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
機械的痛覚過敏の測定装置の修理や一部試薬の購入、実験動物の飼育を大学の研究費で行ったため予定していたよりも費用が掛からなかった。 機械的痛覚過敏の評価に必要なフォンフライ装置が老朽化しており新規購入を予定している。
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Research Products
(1 results)