2013 Fiscal Year Annual Research Report
子供達に安全な麻酔を目指して~発達期マーモセットにおける全身麻酔薬の影響
Project/Area Number |
24791630
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
宮島 萌子 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第四部, 客員研究員 (90318147)
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Keywords | 全身麻酔薬 / 幼弱期暴露 / 障害 |
Research Abstract |
脳の発達期にある小児が全身麻酔を受けると学習障害のリスクが高まることが報告された。マーモセットの新生児期に全身麻酔薬を投与し脳内での神経細胞死が増加するかどうかを目的に調べた。平成25年度は平成24年度に引き続きマーモセットの新生児に全身麻酔薬の投与を行った。全身麻酔中の採血については尾動脈の採血と心腔内採血を組み合わせて行った。マーモセットの新生児にセボフルレンを5時間投与した。全身麻酔中は経皮的酸素飽和度、心電図、非観血的血圧測定をモニターした。全身麻酔投与中止後速やかにマーモセットは覚醒した。全身麻酔投与後インキュベーターにて3時間の経過観察を行った。3時間の経過観察後、高容量のペントバルビタールを腹腔内投与し脳の潅流固定を行った。採取した脳より凍結式滑走型スライサーを用いて脳スライスを作成した。Cleaved caspase-3の免疫染色とKluver-Barrera染色を行い、組織学的検索を行った。当初は大脳皮質のアポトーシスの増加を予測した。Cleaved caspase-3陽性のアポトーシスした細胞は脳の皮質のみならず白質でも見られた。神経細胞は脳の皮質に存在し、白質には神経細胞の線維の他にオリゴデンドロサイトも存在する。2013年にアカゲザルの新生児に全身麻酔薬(イソフルレン、プロポフォール)を投与すると脳白質でのオリゴデンドロサイトのアポトーシスが増加することが報告された。当初の予測とは異なる結果が得られたため計画を変更し、オリゴデンドロサイトの成熟を考慮しオリゴデンドロサイトと神経細胞のアポトーシスについて組織学的検討を行っている。
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