2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24791635
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
仲村 和芳 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (50456034)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 医工学 |
Research Abstract |
尿道内腔3次元構築法を用いることで、①α1ブロッカーの治療前後の尿道の拡張様式(および拡張部位)、②流体シュミレーションによる尿流速度・尿流圧の変化や尿流停滞部位の同定、尿流入部と流出部でのエネルギーロスの程度、③治療抵抗性及び治療感受性患者における尿道拡張様式の違い、④α1レセプターのサブタイプに対する親和性が異なるα1ブロッカーと尿道拡張様式の違いを検討する。 上記を全研究期間内の目標に設定していたが、上記①と②に関しては、初年度の目標症例数の30症例を超えて36症例を選出することができた。これらの症例から画像集積し、得られた映像から3次元パノラマ画像を作成し尿道拡張作用を評価したところ、内服治療により精阜部近傍の尿道が最も拡張することがわかり、それが排尿症状改善に寄与している可能性が示唆された。また、コンピューターの仮想空間上にて再度立体構築した前立腺部尿道内腔立体モデルを作成し、内部に尿が流れているときの尿流シュミレーションを行い、尿流の可視化を行った。これにより、尿流の減弱に大きく関わっていると考えている渦流頻発部位の同定が可能となった。その結果、渦流は精阜部12時側に多く発生していることが判明し、治療により渦流が減少することや、渦流が減少する事が症状改善に寄与していることも示唆された。さらには、膀胱頚部と精阜部での尿流のエネルギーロスを計測し、治療前後でエネルギーロスが低下することが判明したため、当グループで海外の学会発表及び論文投稿を行い掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標の症例数が、30症例であったのに対し、36症例の集積が出来たこと。 尿流解析ソフトはまだまだ初期の段階ではあるが、尿道拡張の評価や尿流評価そして、尿流エネルギー評価を行うに辺り、目的を果たせる事が判明した。 以上が、順調に進展している理由であるが、未だソフトの精度は高いとは言い切れず、千葉大学工学部と共にアップデートを繰り返し、より精度の高いものへと進化させていく必要性があると考え、進行中である。 また、治療抵抗性のメカニズムの解明や、異なるサブタイプへの作用をもつ薬剤での比較に関しては、症例数はまだまだ不足しており、さらなる症例数蓄積が必要であると考えている。 よっておおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2方面からの精度向上が今後の研究の推進方策である。 まず、症例数を50-80症例に増やして行くことでの母数増加による精度向上と撮影手技のさらなる効率化と精度向上。 次に、パノラマ画像作成ソフト、流体力学解析ソフト、尿流シュミレーションソフトを千葉大学工学部と共同でブラッシュアップすることでの精度向上である。 一方では、症例数を増やすことで異なったサブタイプに作用する薬剤を選択する余裕が生まれるため、薬剤間での比較も少しずつだが可能となっていくと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度ですでにパイロットスタディーとして国際学会で発表する機会を得られたため、来年度はさらなる精度向上と手技の確立を最も重点課題とする予定である。そのため、解析ソフトや尿流動態を可視化するソフトや仮想3次元ソフトなどの機器のアップデート費を計上する。また実臨床においての画像撮影と蓄積のための画像集積器やDVDなどの記録媒体などの費用もさらに計上する必要がある。 また、現在論文の作中に取り掛かっているが、尿道拡張作用の解析をメインとする論文は最終段階に差し掛かっているため、その校正費が早々に必要となる。また、渦流と排尿の関係性の解析に関する論文もデータが出次第早急に取り掛かる予定であるため、その英文校正費も必要となることが予想される。これらの実験系から良好な結果が得られれば積極的に国内学会や国際学会での発表を行っていく予定であり、そのための渡航費が必要となることが予想される。
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Research Products
(2 results)