2012 Fiscal Year Research-status Report
根治的腎摘除後の腎機能予測モデルの構築および外部検証
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24791637
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| Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
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Principal Investigator |
横山 みなと 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (30401384)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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| Keywords | 腎癌 / 根治的腎摘除 / 腎機能 / 慢性腎臓病 / 予測モデル / ノモグラム |
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| Research Abstract |
腎癌患者の治療方針決定に対して重要な情報を与えうる、根治的腎摘除後の腎機能予測モデルの構築および外部検証にむけて、東京医科歯科大学医学部附属病院で根治的腎摘除を受けた症例のうち転移や推定糸球体濾過量が60 ml/min/1.73 m2未満と定義される慢性腎臓病がなく2年以上経過を観察した257例で、根治的腎摘除後2年の時点での腎機能に影響を与える予測因子を同定し、推定糸球体濾過量を予測する式、および慢性腎臓病の発生を予測するノモグラムを作成した。
術後腎機能の予測因子は年齢、術前推定糸球体濾過量および糖尿病の合併であり、それらを用いて作成した推定糸球体濾過量予測式および慢性腎臓病発生予測式は下記の通りである。
推定糸球体濾過量=35-0.23*年齢+0.45*術前推定糸球体濾過量-9.4(糖尿病合併時)
慢性腎臓病発生確率=1/(1+exp(-5.4-0.048*年齢+0.094:推定糸球体濾過量-1.6(糖尿病合併時)))
また、さいたま赤十字病院での同様の症例76例を用いて、外部検証を行った。今回作成した予測モデルは比較的高い予測精度を有し(作成郡での推定糸球体濾過量予測式の自由度調整R2=0.483, 慢性腎臓病発生予測ノモグラムのROC曲線下面積0.876)、外部検証でも同様の傾向が示された(外部検証郡での推定糸球体濾過量予測式の自由度調整R2=0.584, 慢性腎臓病発生予測ノモグラムのROC曲線下面積0.857)、ことを日本泌尿器科学会総会および米国泌尿器科学会年次総会で報告した。
本研究により得られた予測モデルは、腎癌患者における根治的腎摘除後の腎機能を比較的正確に予測できるため、最適な治療方針の選択に有用と考えられる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、根治的腎摘除後の腎機能予測モデルの作成は概ね完成している。他施設での外部検証も1施設では完了しており、比較的良好な結果が示された。
現在は、本研究による予測モデルを、臨床的により有用なものにするべく、より長期の腎機能を予測するモデルの作成にとりかかっており、外部検証もより多くの施設での症例を集積しているところである。
すでに予測モデルの作成および外部検証についての手法は確立できたものと考えられるので、データの集積さえ達成できれば、より良い予測モデルの作成は十分に実現可能なものと考えている。
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| Strategy for Future Research Activity |
東京医科歯科大学医学部附属病院泌尿器科、およびその関連施設において、腎癌根治的腎摘除症例のデータをより多く収集し、精度の高い予測モデルの作成および検証に努める。
また予測モデルの構築が完成すれば、論文化や学会発表、あるいはホームページ等での周知により、広く臨床への応用を図る予定である。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
東京医科歯科大学医学部附属病院泌尿器科、およびその関連施設において、腎癌根治的腎摘除症例のデータの収集および解析に、パーソナルコンピューターや統計ソフト、データ管理用のハードディスクといった機器の購入を予定している。
また論文や学会に発表するための資料作成のためビデオレコーダーやカメラ等の記録機器も必要と考えている。
それらの備品、消耗品の物品費に1,250,000円の使用を予定している。
また、国内（日本泌尿器科学会総会および日本泌尿器科学会東部総会）、海外での学会参加（欧州泌尿器科学会および米国泌尿器科学会）に700,000円の旅費を予定している。
その他、論文校正や論文投稿に50,000円の経費を予定しており、計2,000,000円の使用を予定している。
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