2012 Fiscal Year Research-status Report
膀胱上皮における新規メカノセンサーPiezoの発現と機能の解明
Project/Area Number |
24791640
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
宮本 達也 山梨大学, 医学部附属病院, 医員 (80456459)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
【研究実績】 1、マウス膀胱上皮、マウス膀胱上皮初代培養細胞においてPiezo1が発現していることをmRNAレベル(定量的RT-PCR、in situ hybridization; ISH)、タンパクレベル(蛍光免疫染色法、WB)で確認した。2、マウス膀胱上皮初代培養細胞に、Piezo1 siRNAをトランスフェクション法にて導入し、Piezo1-KD細胞(Piezo1遺伝子発現抑制膀胱上皮細胞)を作成した。3、細胞伸展刺激装置を用いて膀胱上皮培養細胞に伸展刺激を行う。この時の細胞内Ca2+の変化を、Ca-imaging法を用いて測定し、Control細胞とPiezo1-KD細胞とで比較を行う。4、細胞伸展刺激装置を用いてControl細胞とPiezo1-KD細胞に伸展刺激を行った際の細胞外ATP放出量を、ATP Photon counting法にて測定した。 【結果】 1、Piezo1は、マウス膀胱上皮、マウス膀胱上皮初代培養細胞において、mRNAレベル、タンパクレベルにおいて発現していた。2、Piezo1-KD細胞では、Piezo1の発現は、mRNAレベルでおよそ40%程度に発現が抑制されており、タンパクレベルでも発現が抑制されていることを確認した。3、伸展刺激時の細胞内Ca2+の上昇は、Control細胞と比較し、Piezo1-KD細胞では有意に減弱していた。4、伸展刺激時の細胞外へのATP放出量は、Control細胞と比較し、Piezo1-KD細胞では有意に減少した。 【結果】 Piezo1は膀胱上皮に機能性を持って発現しており、伸展刺激を感知するメカノセンサーとして機能している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した研究プランに基づき、実験を行っている。研究室における各種実験のプロトコールが確立しており、実験がスムーズに進行しているのが理由と思われる。そのため、各種実験の条件設定など細かい部分や、試薬の濃度設定などの条件検討のみで実験の進行が可能である。また新規の試薬などの購入も可能であったため、十分な研究結果が、得られたものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究予定のように、Piezo1阻害薬であるGsMTx4を用いた実験を行う予定である。 膀胱上皮培養細胞を用いた伸展刺激時の細胞内Ca2+の測定実験を、GsMTx-4を処置した場合、処置していない場合と比較、検討する。また同様に、薬剤の処置の有無による伸展刺激時の細胞外へのATP放出量を測定する予定である。 さらには、マウス排尿代謝ケージ実験では、vehicle群と、GsMTx-4投与群で、排尿行動の変化を計測する予定である。ヒト膀胱上皮においても、Piezo1の発現を確認する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度においての研究費使用計画としては、①野生型マウスの購入 ②各種試薬(蛍光カルシウムインジケーター:Fura2、ATP検出用試薬:ルシフェリンルシフェラーゼ)の購入③Piezo1阻害薬:GsMTx4の購入④マウス代謝ケージ消耗品(超撥水特殊メッシュ、データ解析用PC)⑤膀胱内圧測定用機器消耗品(圧トランスデューサー)などの購入を予定している。また成果発表として国際学会出席(国際尿禁制学会:ICS)や論文発表を予定している。 また本年では、各種試薬(Fura2、ルシフェリンルシフェラーゼ等)の使用が予定より少量で済んだこと、マウス代謝ケージの関する物品の消耗が経度であったことより繰越金が生じた。
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Research Products
(3 results)